シムレーサーはリアルレースの世界でも活躍できるか?
映画「グランツーリスモ」はこの一見無謀なプログラムに参加し、プロのレーサーになった青年の物語です。
この映画の主人公ヤン・マーデンボローは実在の人物で、ストーリーも実話ベースで作られていることは有名ですが、本作の鑑賞後「一体どこまでが実話?」と疑問に思った方も多いでしょう。
そこでこの記事では、「グランツーリスモ」の映画内の出来事と事実にどのような違いがあるのかを解説していきます。
作品名 | グランツーリスモ |
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公開年 | 2023年 |
上映時間 | 134分 |
監督 | ニール・ブロムカンプ |
脚本 | ジェイソン・ホール、ザック・ベイリン |
音楽 | ローン・バルフ |
キャスト | アーチー・マデクウィ、デヴィッド・ハーバー、オーランド・ブルーム、ジャイモン・フンスー |
配給 | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
【グランツーリスモ】映画は実話?あらすじを簡単に解説
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【結論】映画「グランツーリスモ」は実話をもとにしたレーシングアクション作品。
イギリスに住む青年ヤン・マーデンボローは自室に籠り、日夜レースのシミュレーションゲーム「グランツーリスモ」に明け暮れていました。
一方イギリス日産マーケティング担当であるダニーの提案から、シムレーサーを本物のレーサーに育成するプログラム「GTアカデミー」がスタート。
ゲームのトッププレイヤーだったヤンは選抜ゲームで優勝し、GTアカデミーの候補生としてリアルレーサーになるチャンスをゲットします。
しかし喜ぶヤンとは裏腹に、複雑な表情をする元プロサッカー選手の父。
ヤンは、自分と同じ道を押し付けてくる父の反対を押し切るように家を出ていきました。
GTアカデミーにはヤンを含め10名の候補生が集まり、鬼教官ジャックから実車でコースを走るためのトレーニングを受けます。
ヤンは最終試験のレースでライバルの候補生らに勝利し、さらに国際レースでライセンスを取得。
幸運にもプロのレーサーになることができました。
しかしその後ドイツ・ニュルブルクリンクのレースで、マシンが宙を舞うような大きな事故を起こしてしまいます。
病室で目を覚ましたヤンは、自分の起こした事故で観客1名の死者が出たと知り、失意のどん底まで突き落とされました。
【グランツーリスモ】映画のラスト・結末と実話との違いを解説
ここからは映画「グランツーリスモ」の結末・ラストの部分や実話との違いについて解説していきます。
「グランツーリスモ」映画のラスト・結末を解説
ライバルチームのキャパたちがTwitterでシムレーサーへの反対運動を始めたせいで、GTアカデミーへの世間からの評判も落ちてしまいます。
ダニーは汚名を挽回しチームを維持するために、シムレーサーだけでル・マン24時間レースへ出場すると言いだしました。
このかなり厳しい挑戦に一瞬怯むジャックですが、何とヤンが「やります」と返答。
ヤンの他にGTアカデミー時代の同期生2名が参戦することになり、懐かしい仲間がヤンの元に集まりました。
レース当日は恋人や家族もヤンの応援に駆けつけます。
ヤンが何よりも嬉しかったのは、様々なことがあった後父親と和解できたことでした。
ル・マンの終盤ではヤンがジャックの意見に反対し周囲をヤキモキさせるも、ジャックはこれを許可。
ヤンは素晴らしい走りを見せ、3位入賞となりました。
「グランツーリスモ」映画と実話の違いは
【結論】実際のレースの総合順位は3位ではなく9位だった…。
現実のヤン・マーデンボローは2013年〜2015年の3年間ル・マン24時間レースに出場しています。
ヤンが初めてル・マンに参加し3位になったのは2013年のレースなので、こちらのエピソードがモデルになった可能性が高いでしょう。
映画「グランツーリスモ」のクライマックスのシーンでは、ヤンたちのチームがル・マン総合3位でゴールインしたかのように描かれています。
しかし実話では下位クラスであるLMP2クラス内での3位であり、総合的な順位は9位となっているようです。
【グランツーリスモ】映画の実話はどこまで?事故の背景や違いを解説
映画「グランツーリスモ」の主人公ヤン・マーデンボローは実在する人物ですが、それ以外のストーリーは実話とフィクションが混在しています。
ここからは、映画と実話の違う部分を詳しく見ていきましょう。
①GTアカデミーは実話
本作に登場する「GTアカデミーby 日産×プレイステーション(以下GTアカデミー)」は、ゲーム「グランツーリスモ」の中の優秀なシムレーサーを育成し、リアルレーサーに育て上げるという常識では考えられないような学校です。
GTアカデミーは実際に存在した学校で、ヤン・マーデンボローはここでリアルレースのドライビングスキルを習得しました。
しかし現実では、ヤンはGTアカデミーの一期生ではなく三期生。
なおGTアカデミーは2016年で活動を終了しています。
「グランツーリスモ」シリーズのゲームソフトの開発者である山内氏はGTアカデミーの終了について、プロのレーサーを世に送り出し一定の成果を残したことで、ひと区切りしたからとインタビューで話しました。
②鬼教官・ジャック・ソルターはフィクション
「お前たちをしごいて、レーサーの才能がないことを証明する」など過激な発言でGTアカデミーの生徒たちを出迎えた、鬼教官ジャック・ソルター。
リアルレースの厳しさを教えるソルターは、物語の中盤以降主役を食う勢いで映画ファンの心を鷲掴みにします。
しかし現実にはジャック・ソルターなる人物は存在せず…。
一方ヤンは、2020年に亡くなったリカルド・ディビラというエンジニアがジャック・ソルターのモデルとなった人物だ、とも話しています。
リカルドはGTアカデミーのコーチではありませんが、ヤンのことを信用し「君ならできる」といつも励ましてくれた人物のようですね。
ちなみにヤン・マーデンボローの父親が元プロサッカー選手であるというのは実話です。
③事故のタイミングが実話と違う
【結論】現実の事故では映画と同じく観客1名が亡くなりましたが、事故が起こったタイミングが違います。
映画のストーリーでは、ヤン・マーデンボローが事故という苦境から這い上がり、元レーサーであるジャックのアドバイスを受け入れ復活。
その後、仲間とル・マン24時間レースに挑戦するという流れになっています。
しかし実話では、ヤンがドイツのニュルブルクリンクで事故を起こしたのは2015年。
ヤンは2013年にル・マン24時間レースに出場しクラス3位(LMP2クラス)をゲットしていることから、映画とは出来事の順序が逆になっているとわかります。
つまりヤンがキャリア初期ではなく、ル・マン参戦後に事故を起こしたということになりますね。
このような理由から、事情に詳しい車レースファンからは実話をベースにした物語といえるのか?など疑問の声も上がっています。
ちなみに現実ではGTアカデミー一期生のルーカス・オルドネスが、2011年のル・マン24時間レースでLMP2クラス2位を獲得しているので、そこも映画のストーリーとはだいぶ違いますね。
劇中ではGTアカデミーにとってもヤンにとってもル・マンは初めて!のような描かれ方なので、見る人に勇気を与えるストーリーになっています。
【グランツーリスモ】実話・モデルになったヤンマーデンボローの現在は?
映画「グランツーリスモ」の主人公のモデルとなったヤン・マーデンボローは、現在までどのような活躍をしているのでしょうか。
2015年までフォーミュラやル・マン24時間レースにも参戦
ヤン・マーデンボローは、ルーカス・オルドネスやジョーダン・トレッソンらと2012年のドバイ24時間レースに参戦しSP2クラスで3位を獲得。
翌2013年にはフォーミュラに参戦するようになり、才能あるヤンはモータースポーツ界で注目の的となりました。
ヤンは2011年からおよそ2年でル・マン・プロトタイプやGTカー、F3など複数のタイプのマシンを乗りこなしています。
2013年にはル・マン24時間レースに出場し、ヤンのチームはクラス3位を獲得。
2014年にはF3からGP3マシンへステップアップし、F1の登竜門的存在であるドイツのGP3選手権第4戦の第2レースで優勝します。
2016年〜2020年まで日本で活動も
ヤンは2016年から日本に拠点を移し、スーパーGT(GT300クラス)や全日本F3選手権に参戦。
富士スピードウェイで開催された第2戦目のスーパーGTでは、星野一樹と共にGT300クラスで優勝します。
また全日本F3選手権のほうでも、ドライバー部門でシーズン2位を勝ち取りました。
翌2017年にはスーパーGTのGT300クラスからGT500クラス、全日本F3選手権からスーパーフォーミュラへとハードルを上げ、前進します。
2018年から2020年までは、スーパーGTのGT500クラスに出場。
2018年の第6戦スポーツランドSUGOでは3位を獲得しています。
映画にもスタントドライバーとして出演している
本物のヤン・マーデンボローは、映画「グランツーリスモ」のドライビングシーンにスタントドライバーとして参加しています。
「こんな自分が映画になるなんて信じられない」と嬉しそうに語るヤン。
ヤン役俳優のアーチー・マデクウィは本物のヤンと対面し「自分がモデルの映画でスタント・ドライバーをやるなんて前代未聞だと思うよ」と敬意を示しました。
ニール・ブロムカンプ監督はヤン本人にスタントを頼み、実話についての正しい情報を提供してもらいたいと考えていたようです。
【グランツーリスモ】映画の見どころや重要ポイント
映画「グランツーリスモ」はレースや車に詳しくなくても楽しめるポイントがいくつもあるため、多くの映画ファンにおすすめです!
ここからは作品内の重要ポイントや見どころを3つご紹介します。
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見どころ①:臨場感溢れるレースシーンは必見!
映画「グランツーリスモ」でメガホンを取ったのは「第9地区」や「チャッピー」などでしられる、SF映画の鬼才ニール・ブロムカンプ監督。
レースのシーンは観客がまるでその場にいるような臨場感溢れる映像を生み出すために、様々な撮影技法が使われています。
コクピットを内側・外側の両方から撮影したり、FPVドローンを使ったりすることで、まるで空を飛びながらレースを観戦しているような、爽快感を味わえるのです。
また他の作品と比較しても、レース中のマシンの位置状況がわかりやすいため、車やレースに興味のない人も楽しめる作品といえるでしょう。
一方で「ニッサンGT-R NISMO GT3」や「ランボルギーニ」などカーマニアには堪らない車が登場し、エンジンやホイールなどの細部もしっかり映されているため車好きからも概ね好評のようです。
見どころ②:事故に直面するレーサーの過酷な試練
一見華やかなレース業界に入ったヤンですが、様々な試練が降りかかります。
まずはレース中ライバルチームの若者キャパから妨害・追突など嫌がらせを受けます。
ヤンに嫌味を言うなどあからさまに敵意を示してくるキャパは金持ちの息子で、ジャックのことも見下している超イヤな奴。
このキャパを見返す機会があったものの、今度は誰も予想できなかったドイツでの事故。
キャパたちがヤンのニュルブルクリンクの事故をTwitterで拡散し、シムレーサーの評判を落としたとわかるシーンがありますが、これも実に残酷ですね。
しかし劇中のドイツ・ニュルブルクリンク北コースは「緑の地獄」などとよばれ元々危険なコースとして有名なため、一般的にSNSでの拡散はフィクションではないかと言われています。
嫌なライバルキャラとアクシデントはレース映画につきものですが、映画「グランツーリスモ」の場合実話ベースなのでショックな部分でもありますね。
観客を巻き込んでしまうような事故が描かれることで、せっかくレーサーになれてもショックや罪悪感から続けられない人もいるのだとわかります。
見どころ③:家族・夢・青春!全ての要素が詰まった応援讃歌
ゲーム専門のレーサーがプロのレーシングドライバーになるというのは信じられない話ですが、ここはガッツリ実話です。
ある意味「グランツーリスモ」は、王道のスポ根映画としても充分楽しめるでしょう。
茶化し半分に見ているうちにグイグイ引き込まれていくストーリーも胸熱。
特に中盤以降、ジャックが予想外に優しく魅力的な人物だとわかるところが素晴らしいです。
一方で「グランツーリスモ」は、夢を追う全ての人への応援賛歌でもあります。
家族からの反対が夢追い人の障害となるのはよくある話で、主人公ヤンの葛藤は自分事のように伝わってくるでしょう。
よって本作はスケールの大きな物語を描きながら、とても現実的。
親子の和解、夢を現実にするチーム、恋人との再会など様々な感情が入り交じり感動のクライマックスを迎えます。
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【グランツーリスモ】実話をアレンジしたエンタメ作品
- GTアカデミーの存在や事故は実話
- 事故のタイミングが映画と実話で違う
- モデルとなったヤン・マーデンボローが映画のスタントを担当
実話ベースといわれている「グランツーリスモ」ですが、実際は割とフィクションの度合いが強い作品です。
また出来事の序列が変わっていることで、感動的なドラマに仕上がっていることについても様々な意見がありそう。
基本的にはエンタメ作品なので、車やレース好きじゃない方が見ても楽しめる映画です。
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