映画「セプテンバー5」は、1972年9月5日に起きた「ミュンヘンオリンピック事件」の実話をもとに、事件を生中継することとなったスポーツ担当のテレビ局員たちの衝撃の1日を描いたサスペンスドラマです。
第82回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、第97回アカデミー賞の脚本賞にもノミネートされました。
この記事では、元ネタとなったオリンピックのテロ事件や、映画のあらすじと結末をネタバレありで解説します。
作品名 | セプテンバー5 |
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公開年 | 2025年2月14日 |
上映時間 | 94分 |
監督 | ティム・フェールバウム |
脚本 | ティム・フェールバウム |
音楽 | ロレンツ・ダンゲル |
キャスト | ピーター・サースガード ジョン・マガロ レオニー・ベネシュ ベン・チャップリン |
配給 | 東和ピクチャーズ |
映画「セプテンバー5」は実話?あらすじを簡単解説

【結論】「セプテンバー5」は1972年9月5日に起こった”ミュンヘンオリンピック事件”の実話をもとにした作品。
「セプテンバー5」は1972年9月5日に起こった”ミュンヘンオリンピック事件”の実話をもとにした、サスペンスドラマ作品です。
ミュンヘン夏季オリンピックの開催期間中、アメリカの大手テレビ局ABCのスポーツ部門、ABCスポーツが開催地での中継を担当していました。
9月5日の早朝、数名のスタッフが銃声の様な音を耳にします。
オリンピック会場で銃声など最初は信じられませんでしたが、なんと選手村でテロ攻撃が発生していることが明らかに。
パレスチナの過激派組織「黒い九月」が、イスラエル選手団の宿舎に侵入し選手たちを人質に取り、仲間の囚人たちを釈放するよう要求していたのです。
若く野心的なプロデューサーのジェフリー・メイソンを中心に、報道とは無縁だったスポーツ番組のクルーたちが世界初の“テロ生中継”することになるのですが…。
映画「セプテンバー5」の結末・ラストとネタバレ部分の解説

映画「セプテンバー5」の結末・ラストとネタバレ部分について解説します。
「セプテンバー5」結末・ラスト部分の解説
西ドイツの地元警察による人質救出作戦は失敗し、午後10時頃「黒い九月」は交渉の末、人質とともにヘリコプターで空軍基地へと移動することになりました。
緊迫した状況の中、ジェフリーはドイツ人通訳のマリアンネとスタッフ2人を空港へと向かわせる決断を下します。
空港で銃撃戦があったという情報が入り絶望的な状況かと思われた時、地元の公共放送局で「人質全員が解放された」というニュースが流れている、と現場のマリアンネから情報が寄せられました。
ABCスポーツの運営責任者であるマーヴィン・ベイダーは、「人質解放の情報は裏が取れているのか?確実な情報ソースが2つ必要だ」とジェフリーを問い詰めます。
ABCスポーツのトップ、ルーン・アーレッジの判断で、“噂では”という注釈をつけて生放送で人質解放の速報を流しました。
その後西ドイツ当局からも人質解放の情報が入り、ジェフリー、マーヴィンその他スタッフも皆安堵し祝杯をあげました。
月面着陸のニュースよりも多くの人が生放送を見ていた!と歴史的な快挙を喜んでいましたが、マーヴィンは西ドイツ政府の広報官がテレビで話している言葉の端々から疑念を抱きはじめます。
すぐに内部の情報筋から、人質解放は誤報で人質9名全員と警察官1名が死亡したという新事実が明らかになりました。
この日1日最前線で放送を仕切っていたジェフリーは失意のどん底に落とされ、空港から戻ったマリアンヌに現場に送り出したことを詫びるのでした。
人質解放については誤報ではあったものの、本社からは生中継を続行したことを評価され、ジェフリーは翌日の追悼式の現場も任されました。
しかしジェフリーは壁に貼られた人質9名の顔写真を眺めた後、浮かない表情のまま1人ホテルへと帰るのでした。
人質救出作戦が失敗した理由は?
事件の結末は大惨事となってしまいましたが、テロリストが選手村に立てこもっている時点で人質を救出することができなかったのは、何故でしょうか?
1つ目の重大な理由は、選手村に立てこもっていたテロリストたちがABCスポーツの生中継していた映像を見ていたからだと考えられます。
ジェフリーや他のクルーたち当初、ABCは国際放送なので海外の人しか見ることができないはず、と考えていました。
しかし、実は選手村の全部屋に国際放送を視聴できるテレビが設置されていました。
警察が建物の屋根に登り、人質が拘束されている宿舎へ奇襲を仕掛ける様子がすべて、生中継を通じてテロリストたちに筒抜けだったのです。
もう1つの理由は、テロリストの対応に当たったのがまともな装備も対テロ訓練もされていない地元警察だったということです。
1972年はまだ冷戦中で、ドイツが東西に分かれていた時代です。
マリアンヌが「軍が出動するのは、法律で禁止されている」と話していたり、選手村に警備員が配置されていなかったのは“戦争中のことを連想させるから”という文脈で語られていたりしました。
当時はまだ第二次世界大戦中にドイツ国内で起きたことと距離を置きたいという風潮が強く、軍や警察に強い力を持たせないシステムになっていたようです。
「セプテンバー5」が伝えたかった・描きたかったことは
映画「セプテンバー5」が伝えたかったこと、描きたかったことは何だったのでしょうか?
映画の中では、テレビの生放送を軸に「報道のあり方」や「ジャーナリストの責任や倫理観はどうあるべきか」が中心に描かれています。
「スポーツのクルーがニュースを担当していいのか?」「テロを生中継していいのか?」「中継しているときに人が殺されてしまったら?」「犯人をゲリラと呼ぶかテロリストと呼ぶか?」「誤情報かもしれない内容を報道していいのか?」など…。
次から次へとジェフリーたちテレビクルーは判断を迫られます。
そしてこの生中継は世界中で様々な議論を呼ぶことになり、この事件以降、報道のあるべき姿が変わったとされています。
当時は限られたメディアでしか国際放送をすることはできませんでしたが、今では世界中の誰もがインターネットを通じてリアルタイムで様々な情報を発信したり、見ることができる時代になっています。
劇中テレビクルーたちが葛藤し悩んだことは、現代の私たち一人ひとりが考えるべきことになっている、というメッセージも込められているのではないでしょうか。
映画「セプテンバー5」は実話!元ネタになったオリンピックのテロ事件とは?
映画「セプテンバー5」の元ネタになった「ミュンヘンオリンピック事件」は、オリンピック史上最悪の悲劇といわれています。
一体どのような事件だったのか、映画との違いがあるのかどうか解説します。
パレスチナ武装組織「黒い九月」がイスラエル選手の選手村を襲撃
1972年9月5日の早朝、パレスチナ武装組織「黒い九月」のメンバー8名が、オリンピック選手村のフェンスを乗り越え内部へ侵入。
自動小銃や手榴弾などで武装してイスラエル選手団の宿舎に侵入すると、レスリングのコーチ、モシェ・ワインバーグと、重量投げの選手、ユセフ・ロマーノの2人を殺害し、他の選手9人を人質に取り立てこもりました。
犯人たちは、レバノン、シリア、ヨルダンの難民キャンプから来たテロリストで、数名はそれまで選手村で働いていたなど、数週間かけて綿密に計画を練って実行されました。
テロリスト側の要求は西ドイツなどに拘束されている人質の解放
テロリストは、イスラエルに拘束されている仲間の囚人や、西ドイツで投獄されている328人を午前9時までに解放するよう要求。
その中には、ドイツ赤軍の幹部たちや日本赤軍の岡本公三も含まれていました。
ミュンヘン警察は、人質解放作戦の時間稼ぎの為にテロリストと交渉を開始し、同時にイスラエルの首相とも協議をしていました。
ドイツの交渉代表団の内務大臣は、自分を人質にする代わりにイスラエル選手を解放するよう交渉しましたが、テロリストはこれも拒否。
最終的に西ドイツ当局は交渉での解決を断念し、武力での解決に踏み切ることになります。
交渉は決裂し、結果17名の死者を出す大惨事に
テロリストと西ドイツ当局の交渉が決裂すると、テロリストたちは、エジプトのカイロへと逃亡するために、バスとヘリコプターでフュルステンフェルトブルック空軍基地へ移動することを要求してきました。
西ドイツ当局は、移動中や空港でテロリストを狙撃して人質を解放させる思惑でこの要求を受け入れ、警察の狙撃兵を各地に配置しました。
テロリストたちはこの策略に気付き、空港での銃撃戦は1時間にわたって続きました。
テロリストの1人が手榴弾で自爆したことで、人質が乗っていたヘリコプターが爆発。
空港では人質9名全員、警察官1名、テロリスト5名が死亡しました。
最終的に、選手村で殺害された2人を含め17名の死者を出す大惨事となりました。
世界で初めてテロの生中継が行われた
映画の中で描かれた通り、「ミュンヘンオリンピック事件」は史上初めてリアルタイムで世界に生中継されたテロ事件でした。
そして、9億人が目撃したと言われているこの歴史的な生中継を担当したのは、ニュース番組のスタッフではなくスポーツ番組のクルーだったことや、テロ事件が収束した後に中継が再開されたことも、劇中で描かれた通りです。
本作は基本的に、実際に起きたテロ事件に沿った流れで忠実に作られています。
しかしテロの犯人や人質からの視点ではなく、コントロールルームにいるテレビクルーの視点から描かれているため、事件の詳細については直接的には殆ど描かれていません。
事件の詳細や、この後に行われた「黒い九月」に対するイスラエルの報復作戦について知りたい方は、2005年にスティーヴン・スピルバーグが監督した映画「ミュンヘン」を見てみて下さい。
映画「セプテンバー5」注目すべき登場人物/キャスト3選
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①マリアンネ・ゲブハルト役/レオニー・ベネシュ

ABCスポーツのドイツ人通訳のマリアンネは、現場で何が起こっているのかをラジオやトランシーバー片手に情報収集するキーパーソンとして大活躍するキャラクター。
通訳の業務だけでなく、指示されたこと以外も先回りしてドンドン進めていく、知的で行動力も持ち合わせたシゴデキ女子。
テロの起こった日の朝に初めてジェフリーと話をしたばかりだったにも関わらず、あっという間に信頼を得て最前線の現場へと派遣されるほどの実力。
アメリカ人のスタッフから「戦争中、両親は何を?」というかなりセンシティブな質問をされた際にも、「私は私、両親は関係ない」と冷静にビシッと言い返す姿もカッコいい!
マリアンネは実在の人物ではなく、架空のキャラクターです。
マリアンネ役を演じたレオニー・ベネシュは、2009年にカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した映画「白いリボン」に出演、そして2022年のドイツ映画「ありふれた教室」で主演を務めた注目の女優さんです!
②ジェフリー・メイソン役/ジョン・マガロ

ジェフリー・メイソンは、当時32歳でABC中継のコーディネーション・プロデューサーだった実在の人物です。
本作の公開にあたって、下記のようにコメントを残しています。
「私は⾃分の⽬で⾒たことを語れる数少ない⼀⼈です。あの⽇、中継スタジオにいた⼈のほとんどは亡くなってしまって、もういません。だからこそ、あの⽇あの場にいた仲間たちの⽬と⼼を通して伝えることができるこの機会は、私にとって特別なものです」
映画の中でジェフェリーは、まだ放送のルールが明確にされていなかった時代に、報道の責任の重さや葛藤を感じながらも必死に真実を世界中に届けた熱血漢のプロデューサーとして描かれています。
ドラマ「アンブレラ・アカデミー」や映画「パスト ライブス/再会」の、ジョン・マガロが熱演しています。
③ピーター・ジェニングス役/ベンジャミン・ウォーカー
ベンジャミン・ウォーカーが演じたピーター・ジェニングスは、ABCネットワークのニュース・アンカーを務めた実在の人物です。
海外で取材活動を行っていたことから中東情勢にも詳しく、オリンピックの生中継で突然パレスチナのテロ組織について報道するという、ある意味“無茶ぶり”にも対応できた稀有な人物です。
テロ事件の後、1978年から長年「ABC ワールド・ニュース・トゥナイト」という報道番組で司会を務めました。
ちなみに、この生放送にはジム・マッケイというABCのスポーツ番組の有名なスポーツキャスターも出演していました。
ピーター・ジェニングスやジム・マッケイが生出演し実際に放送された映像が、映画の中で使用されています。
映画「セプテンバー5」見どころ・重要なポイントを解説!

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①緊迫感MAX&息が詰まる展開の密室劇!
上映時間がたった94分とは思えないほどノンストップで緊張感が続き、見終わった後には肩がガチガチになるほど最後までスクリーンに釘付けなってしまいました。
テレビ局の狭いコントロールルーム内にいるテレビクルー目線で描かれているということで、「密室劇」にも近い展開で息の詰まる様な緊迫感が圧倒的なサスペンス映画です。
実際の事件の結末を知っていたため、最後の大どんでん返しがわかってしまったので、事前知識ゼロの方が最後まで楽しめるかもしれません…。
②アナログ&レトロな演出がエモい
本作は1970年代が舞台で、アナログ&レトロ感満載で当時の様子がリアルに再現されています。
映画の中で、実際に放送されたオリンピック競技やテロリストの映像などが度々挿入されますが、まったく違和感がありません。
もちろんインターネットなどない時代で、フィルムでの映像、大きなトランシーバー、ブラウン管のテレビ、ノイズの多いラジオ放送など、今見ると“エモい”と感じられるようなアナログの技術が使用されていました。
当時のコントロールルームを再現したセットを作るために、個人収集家、博物館、放送局の倉庫まで探して当時の機材を集めたそうです。
ブルーバックとCGで作られた背景ではなく、俳優たちが実際に当時の様子を再現したセットで演技しているおかげで、この映画独特のリアルな緊迫感や閉塞感が映し出されています。
③“非政治的”な描き方は正解?不正解?
本作はアメリカ国内でも大絶賛され、ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、アカデミー賞では脚本賞にもノミネートされました。
「ミュンヘンオリンピック事件」は、パレスチナ対イスラエルといういわゆる「パレスチナ問題」に端を発するテロ事件です。
2023年10月7日にイスラエルで起きた凄惨な事件も記憶に新しい中、本作は極端に政治的に偏ることなく比較的フラットな視点で描かれています。
しかしアメリカの一部の批評家から、テロを題材に扱いながらも“非政治的”な描き方をしている、ということで批判されているようです。
スピルバーグが監督した映画「ミュンヘン」も、同じテロ事件をテーマにした作品です。
ユダヤ人であるにも関わらずイスラエル側を一方的に擁護するのではなく、パレスチナ側にも一定の理解を示すような描き方をしたことで批判を受けました。
そもそも政治的に論争を呼ぶテーマが題材になっている時点で、映画に賛否両論があるのは当然ですよね。
しかし、中立的な視点で描きエンタメ要素が強い作品に仕上げたため、より多くの観客に事件について考えるきっかけを与えているということから、個人的には「セプテンバー5」は非政治的であることで成功しているように思いました。
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映画「セプテンバー5」は実話のオリンピックテロ事件が元ネタ!アカデミー賞候補
- 映画「セプテンバー5」は、“ミュンヘンオリンピック事件”の実話をもとにした作品
- 実際に起きたテロ事件を描いているが、テレビクルーの視点から描いている点が新しい
- 世界で初めてテロが生中継され、これ以降報道のあり方が変わった
この記事では、映画「セプテンバー5」のあらすじと結末、元ネタのオリンピックのテロ事件などについて解説しました。
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