まず結論、映画「エクソシスト」は実話ではありません!
しかし筆者の脳裏にもうっすらとある、悪魔祓いのドキュメンタリー映像や数々の都市伝説。
ウィリアム・ピーター・ブラッティによる同名原作小説が存在しながら、実話説がささやかれるのは、不気味な映像を見漁っているオカルトマニアの希望的観測かもしれません。
とはいえ、ウィリアムの小説も、実際の悪魔憑依事件を妄想の種にしていることは確か。
今回は、映画「エクソシスト」の概要とあらすじから始めて、映画にまつわる物騒な噂について解説します。
作品名 | エクソシスト |
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公開年 | 1973年(アメリカ) |
上映時間 | 2時間2分 |
監督 | ウィリアム・フリードキン |
脚本 | ウィリアム・ピーター・ブラッティ |
音楽 | マイク・オールドフィールド ジャック・ニッチェ |
キャスト | リンダ・ブレア エレン・バースティン ジェイソン・ミラー ほか |
配給 | ワーナー・ブラザース |
【エクソシスト】映画の実話は嘘?あらすじを簡単に解説
【結論】映画「エクソシスト」は実話ではない!ウィリアム・ピーター・ブラッティの小説が原作。
1949年にアメリカ・メリーランド州マウント・レイニアで起こった悪魔憑依事件、通称「メリーランド事件」が物語のベースであることは確か。
しかし、関係者へのインタビュー取材がままならず、結局は妄想をふくらませ小説を書いたらしいウィリアム。
巷の噂のなかには、この悪魔祓いの様子をつづった日記なるアイテムを、ウィリアムが入手していたとするものも。
どちらにせよ、メリーランド事件の被害者は男性であり、公式に実話とうたっていない事実に決着がつきそう。
「実話をベースにしている」というには、あやふやな部分が多いと推測できます。
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母親と、お手伝いさんとの女3人暮らしを楽しむ少女・リーガン(演/リンダ・ブレア)。
リーガンは、忙しい母親の不在時にひとり遊びをしています。
ある日、家のなかで古いウィジャボードをみつけたリーガンは、早速遊んでみることに。
数日後、リーガンの体に少しずつ変化が現れて…。
【エクソシスト】実話は嘘なのに”現実”と言われる理由
しかし、実話ではないのに何故、噂が立っているのでしょうか。
勘違いに繋がったとみられる原因を探っていきます。
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①悪魔祓い自体は実際あるから
古くは1600年代にまでさかのぼる、悪魔祓いの歴史。
さらに以前からあった可能性もありますが、そもそもエクソシスムのあり方は、現在広く認識されているものとは違いました。
「ひたすらに語りかける」という意味合いをもっていたエクソシスムは、時代とともに「悪いものを追い出す」という現在の認識へと変化をとげてきたのです。
八方手をつくしても出口が見つからない問題に対処するやり方として、わらにもすがる思いでエクソシスムを行ってきたであろう人類。
キリスト教のイメージが強いですが、全世界のさまざまな宗教下において同様の行為がおこなわれています。
十字架と神父、悪魔という取り合わせが有名なのは、聖書ならびに映画「エクソシスト」の影響が大きいでしょう。
題名からしてエクソシスムを再定義した本作は、公開直後から、人々の“悪魔”への興味をそそり社会現象を起こしました。
日本でいうところの“悪魔祓い”には天地を対象におこなわれるものがあり、災害をしずめるなどの意味を持ちます。
対サタンの宗教とは、ちょっとニュアンスがちがうことも。
②「エミリーローズ」と混同している人がいる
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原題を「The Exorcism of Emily Rose」とした、ド直球実話。
内容は、悪魔祓いのシーンよりも裁判の展開が主。
1976年にドイツで起こったアンネリーゼ・ミシェル事件を描いた本作は、主人公・エミリーに悪魔祓いをした神父側の弁護士、エリン・ブルナーに寄り添う物語。
実際、エリンがとある人類学者に事件簿を提供し、本作の原作本へと繋がっているのだそう。
この「エミリー・ローズ」、前述の通り法廷ドラマがメインではありながら、エミリー・ローズを演じたジェニファー・カーペンターの狂気じみた怪演がすさまじい!
確かに、リーガンをつとめあげたリンダ・ブレアを彷彿とさせるものではあります。
しかし、2作の混同は、「エミリー・ローズ」が実話であったからこそ「エクソシストもワンチャン実話なのでは」という、こちらも希望的観測かなと感じました。
③「ヴァチカンのエクソシスト」と混同している人がいる
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実在したエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父をラッセル・クロウが演じた2023年の作品。
アモルトが遺した2冊の回想録をおおまかなベースとして映画化されました。
生前16万回(?!)もの悪魔祓いをおこなったと主張していたアモルトの実写化らしく、みんながどんどん悪魔に憑かれる大変な映画。
「エクソシスト」、そして「エミリー・ローズ」の作風に比べると、若干チープさがぬぐえない本作。
悪魔祓い映画としてとらえるよりは、「ラッセル・クロウがホラーやってるなぁ」というかんじで楽しむのがいいでしょう。
「エクソシスト」との混同は、単純に「エクソシスト」と検索すれば近年作品として本作が出てきてしまうことが理由のひとつでしょうか。
あとは、「エミリー・ローズ」同様に、回想録が存在する作品ということで、「エクソシスト」への“実話期待”が高まっているような気がします。
【エクソシスト】は実際の病気がモデルになっている?
「エクソシスト」のリーガンのモデルとなった少年は、抗NMDA受容体脳炎という病気だったかもしれない?
抗NMDA受容体脳炎という、実在する病気があります。
幻覚や妄想といった精神異常から、けいれんなどの身体異常を経て、意識が低下するというこの病気。
とつぜん不可思議な行動をする患者の理由がわからなかった人々が、“悪魔憑き”と恐れたことも。
映画「エクソシスト」のなかでは、リーガンはあらゆる検査を受け、結局病気は見つからないままでした。
「エクソシスト」のリアリティは、“悪魔祓い”という選択に行き着くまでの、まさにリアルな段階にあり、それこそが「実話だった」という噂にもつながっていると思います。
モデルとなった少年の事実については、なんともいえないところですが…病名がわかった方がご家族は安心でしょうか。
実際、仮に抗NMDA受容体脳炎だとしても、首が1周したり腹から文字が浮き出たり、空中浮遊したりはしないので「エクソシスト」は“あくまで”悪魔憑きの映画!
【エクソシスト】映画にまつわる怖い実話:子役死亡は本当?
一部の噂には思い違いがあるものの、出演者の死が目立つ「エクソシスト」。
シリーズ中にセットが全焼する火事も起こっており、スタジオに悪魔祓いを提案されたという逸話も!
子役=リーガン役のリンダ・ブレアは死亡していない
リンダ・ブレアは死亡しておらず、最新作「エクソシスト 信じる者」に、母親役のエレン・バースティンともども、生き生きと再登場しています。
1977年「エクソシスト2」で見事イナゴ少女・リーガンを演じきった頃、逮捕されたリンダ。
以降、なんだか伸び悩んだ結果17年ほど表舞台を去っていたようです。
ネットが普及する前はやたらと飛び交っていた有名人死亡説の、単なるひとつでしょう。
リンダ死亡説に一役買ったのは、1982年にリリースされた映画「ポルターガイスト」の出演者に不幸が続いた件との混同もあり得ます。
12歳でヘザー・オルークが病死、22歳でドミニク・ダンが恋人に殺されるなど、キャストの死が相次いだ「ポルターガイスト」。
一説では、セットに、美術として本物の頭蓋骨を持ちこんだことによる祟りともいわれています。
映画監督のバーク・デニング役:ジャック・マッゴーランが死亡
ジャック・マッゴーランは第1作公開を待たずして、インフルエンザの合併症で54歳の若さで亡くなりました。
酒乱でお調子者の映画監督、バークを演じたジャック・マッゴーラン。
作中でも悪魔・パズズの影響で死亡してしまいますが、彼自身、「エクソシスト」が遺作となりました。
神父の母のメアリー・カラス役:バシリキ・マリアロスが死亡
前述のジャックの他、カラス神父の母親・メアリーを演じたバシリキ・マリアロスも、第1作の公開を前に死亡しています。
メアリーといえば、カラスが大切に思いながらも、意図せず苦しめる結果となってしまったお母さん。
彼女の死因は老衰といわれていますが、作中で苦しむ2人が、映画の公開前に死亡するという偶然は恐ろしくもありました。
【エクソシスト】映画が見放題のU-NEXTがおすすめ
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【エクソシスト】実話ではなく原作小説がある!子役は死亡していない
- 映画「エクソシスト」は実話ではない
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「実話である」「呪われた作品」などと、噂が一人歩きしている感のある映画「エクソシスト」。
実際、本作以降の“悪魔祓い映画”は「エクソシスト」ありきで構築されているものも多いし、時間が経つとごっちゃになりがちかもしれません。
しかし、不思議な噂がたつこともまた、観客の心に恐怖を植えつけた本作の功績でしょう。
「エクソシスト」シリーズは、まだまだ続編も決定しているようなので、この機会にU-NEXTでおさらいしてみませんか?
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