「僕は嘘をついてはいけない」という、ハリーの粋で気持ちいい台詞がスパイスを利かせる映画「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」。
ヴォルデモート卿の復活とともに、自らの心と体に隠された秘密に苦しめられるハリーが、一歩ずつ前進する奇跡の瞬間を見届けましょう。
魔法の世界へと通じる扉よ、アロホモラ!
この記事には映画「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」のネタバレを含みます!未見の方はご注意ください!
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「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の作品情報
公開日 | 2007/7/20(日本) |
---|---|
監督 | デヴィッド・イェーツ |
原作 | J・K・ローリング |
脚本 | マイケル・ゴールデンバーグ |
キャスト | ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン ほか |
音楽 | ニコラス・フーパ― |
上映時間 | 2時間18分 |
配給 | ワーナー・ブラザース |
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」のキャスト一覧
登場人物 | キャスト | 日本語声優 | 特徴 |
---|---|---|---|
ハリー・ポッター | ダニエル・ラドクリフ | 小野賢章 | 主人公。額にいなずま型の傷をもつ |
ロン・ウィーズリー | ルパート・グリント | 常盤祐貴 | ハリーの友だち。愛情深い一家に育つ |
ハーマイオニー・グレンジャー | エマ・ワトソン | 須藤祐実 | ハリーの友だち。真面目だが大胆な一面をもつ |
アルバス・ダンブルドア | マイケル・ガンボン | 永井一郎 | ホグワーツ魔法魔術学校の校長。不死鳥の騎士団をつくる |
ミネルバ・マクゴナガル | マギー・スミス | 谷育子 | ホグワーツ魔法魔術学校の副校長。慈悲深い人物 |
セブルス・スネイプ | アラン・リックマン | 土師孝也 | ホグワーツ魔法魔術学校の教師。不死鳥の騎士団の一員 |
ドローレス・アンブリッジ | イメルダ・スタウントン | 小宮和枝 | 魔法省の役人。きんきん声で周囲を威嚇する |
シリウス・ブラック | ゲイリー・オールドマン | 辻親八 | 不死鳥の騎士団の創立メンバー。アズカバン刑務所に収監されていた |
リーマス・ルーピン | デヴィッド・シューリス | 郷田ほづみ | 不死鳥の騎士団のメンバー。心やさしい狼人間 |
アラスター・“マッドアイ”・ムーディ | ブレンダン・グリーソン | 小林修 | 不死鳥の騎士団のメンバー。口は悪いが愛情深い人物 |
ルビウス・ハグリッド | ロビー・コルトレーン | 斎藤志郎 | ホグワーツ魔法魔術学校の“家畜番”。ハリーたちの親友 |
シビル・トレローニー | デイム・エマ・トンプソン | 幸田直子 | ホグワーツ魔法魔術学校の教師。占い学を教える |
ルーナ・ラブグッド | イヴァナ・リンチ | 三村ゆうな | ハリーたちの1つ後輩。不思議ちゃんと呼ばれる |
チョウ・チャン | ケイティ・リューング | 川庄美雪 | ハリーたちの1つ先輩。ハリーに想いを寄せる |
ネビル・ロングボトム | マシュー・ルイス | 上野容 | ハリーたちの同級生。おっとりしている |
ニンファドーラ・トンクス | ナタリア・テナ | 日野未歩 | 不死鳥の騎士団のメンバー。怒ると髪の色が変化する |
ベラトリックス・レストレンジ | ヘレナ・ボナム=カーター | 高乃麗 | ヴォルデモートに仕える“死喰い人”。サディスティック |
ルシウス・マルフォイ | ジェイソン・アイザックス | 諸角憲一 | ヴォルデモートに仕える死喰い人。ハリーたちの同級生・ドラコの父 |
ヴォルデモート | レイフ・ファインズ | 江原正士 | 闇の魔法使い。ハリーの敵 |
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」のあらすじ
ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)はセドリック(ロバート・パティンソン)の死への責任を感じ、毎晩うなされていました。
いじわるなダドリー(ハリー・メリング)定番のからかいさえも、今のハリーにはかわす余裕などありません。
ハリーとダドリーが喧嘩をしていると、急にあたり一面が暗くなり、2人のディメンターが現れました。
マグル(魔法を使わない人間)であるダドリーにはディメンターの姿は見えませんが、姿なきディメンターに押さえつけられ苦しんでいます。
もがくダドリーを救うため、ハリーはとっさに守護霊の呪文である「エクスペクト・パトローナム」を使いました。
即座な判断で窮地を脱したハリーでしたが、マグルの面前で呪文を使った罰として、ホグワーツ魔法魔術学校退学という通知が届いてしまいます。
ダンブルドアの助けによりなんとか退学せずに済んだハリー。規則・裁判・権力…魔法界にも頭の固い組織というのはありまして…
あらすじ”起”:アンブリッジがホグワーツに
ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)の復活に半信半疑な魔法省ですが、法律に定められた適切な対応に準ずるため、ドローレス・アンブリッジ(イメルダ・スタウントン)という役人をホグワーツ魔法魔術学校へ派遣します。
ジュンズル…?要は規則を振りかざしてハリーたちを縛りつけるため、偉そうにやってきたんだよ!ヴォルデモート相手に規則だなんて笑わせるぜ
アンブリッジは、生徒たちに対し主に机上の勉強を強います。
「あなたたちを襲うものは存在しない」ときれいごとを言い、生徒に実践を教えようとしないのです。
ダンブルドアが私設軍団をつくり、魔法省の管理外でヴォルデモート卿と対峙することを防ぐためでした。
アンブリッジは、細かすぎる校則を次々とつくり、反した者には厳しすぎる罰則を与えホグワーツを統制しようとします。
あらすじ”承”:ダンブルドア軍団結成
実践を学べないことに恐怖を感じたハーマイオニー(エマ・ワトソン)主導で、経験豊富なハリーを先生として呪文の使い方を練習する“ダンブルドア軍団”が結成されます。
ダンブルドア主導じゃなくても軍団すぐにできたよ!若き魔法使いたちの根性をなめてもらっちゃ困りますねえ!
ヴォルデモート卿の復活はハリーだけが目撃しており、ハリーを信じる者は限られています。
以下は、ダンブルドア軍団の初期メンバーたちです。
ダンブルドア軍団 | 特徴 | キャスト |
---|---|---|
ハーマイオニー・グレンジャー | 創設者 | エマ・ワトソン |
ハリー・ポッター | 指導者 | ダニエル・ラドグリフ |
ロン・ウィーズリー | ハリーの親友 | ルパート・グリント |
ルーナ・ラブグッド | 意志の強い女の子 | イヴァナ・リンチ |
ネビル・ロングボトム | 心優しい青年 | マシュー・ルイス |
チョウ・チャン | ハリーに想いを寄せる | ケイティ・リューング |
フレッド&ジョージ | ロンの双子の兄たち | ジェームズ&オリバー・フェルプス |
ジニー・ウィーズリー | ロンの妹 | ボニー・ライト |
タイトルでもある“不死鳥の騎士団”はダンブルドア軍団とは別!後ほど解説します!
あらすじ”転”:アズカバンからの大量脱獄
日々こつこつと呪文の実践を学び続けるダンブルドア軍団のもとに、「アズカバン刑務所から凶悪な受刑者が大量に脱獄した」という知らせが届きます。
少しずつでも、着実に技術を身に着けてきたハリーたちは、「受けて立つ!」という使命感にみなぎり一層熱心に杖を振りました。
勇敢なダンブルドア軍団の向かうところに敵などなし!唯一の敵は己の心のなかにいるのです
ハリーは、脱獄犯のひとりであるベラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム=カーター)が、ネビルの両親をいたぶった犯人であると知り、胸を痛めます。
いよいよ危険が近くに迫っていると感じたダンブルドア軍団の面々は、なお威張りくさるアンブリッジに反旗をひるがえし、強い武器をもとめ魔法省にある神秘部へと向かいました。
フレッド&ジョージがアンブリッジの鼻を明かすシーンはスカッとしました!
あらすじ”結”:ヴォルデモート卿復活が知れ渡る
神秘部で“強い武器”を見つけたハリーたちでしたが、武器を渇望するベラトリックスたち“ヴォルデモート卿一派”と出会ってしまいます。
怒りに震えるネビルを挑発するベラトリックスは、まるで人の心を持ちません。
ハーマイオニーたちを人質に取り、ハリーから“武器”を奪おうとするベラトリックスたち。
友人たちの苦しむ顔を見ていられないハリーは“武器”を手放しますが、ベラトリックスによって、ハリーを助けにきたシリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)が殺されてしまいます。
まじありえないほどの悲しみ
憎しみに駆られベラトリックスに杖を向けるハリーを「シリウスを殺した女だぞ、やってしまえ」とけしかける、どこからともなく現れたヴォルデモート卿。
ハリーの危機を察知し駆け付けたアルバス・ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)が、ヴォルデモート卿に杖を振ると、ヴォルデモート卿も全力でダンブルドアに襲いかかります。
ハリーは、己との戦いに勝ちベラトリックス殺害を思いとどまりました。
ハリーと同じように、一旦の勝利にて戦いを終えたダンブルドア。
ヴォルデモート卿の姿を肉眼で見た多くの魔法使いたちの存在により、ハリーへの疑いの目は晴れたのでした。
アンブリッジ追放!イエーイ
映画「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」ネタバレ
ハリーたちが子どもだけで結成したダンブルドア軍団とはちがい、ダンブルドアによって結成された成人たちによる軍団が「不死鳥の騎士団」です。
勇敢で強靭な魔法使いたちによる鋼の軍団!
ヴォルデモート卿を筆頭にベラトリックスやルシウス・マルフォイ(ジェイソン・アイザックス)などで構成されたヴォルデモート卿一派に立ち向かうため、結成されました。
本作の冒頭とラストでも、危機に瀕したハリーたちを助けにやってくる頼りがいのある面々です。
次作以降はハリーたち未成年の魔法使いも加入するよ
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」で死亡するキャラクターは?
前述したようにシリウス・ブラックです。
ダンブルドア軍団の面々を助けに来た際、ベラトリックスが放った「アバダケダブラ」の呪文により死亡してしまいました。
一瞬「ギリギリで避けられた?!」と思わせてからのフラフラ…嫌だ嘘だと言って!!
また原作小説では、イゴール・カルカロフという魔法使いも亡くなってしまいますが、映画版では言及に留まっています。
予言の水晶玉は何?
予言の水晶玉こそが、あらすじで少しふれた“強い武器”です。
魔法省の神秘部にはたくさんの水晶玉が保管されており、ハリーの名が書かれた水晶玉もありました。
予言の内容は「闇の帝王を打ち破る力を持つ者が近づいている。帝王はその者を自分に比肩(ひけん)する者として記す。しかし彼は闇の帝王の知らぬ力を持つであろう」というものです。
ハリーが持つ力は、愛も友情も知らぬヴォルデモート卿にはない、最強の力!
予言の水晶玉は結局、ルシウスの手から滑り落ちて砕けてしまいました。
結局壊れてるし!なぜシリウスが死ななきゃならないんだ!嫌だ!
「不死鳥の騎士団」のメンバーは?
過去のメンバー | 特徴 | キャスト |
---|---|---|
アルバス・ダンブルドア | 創始者 | マイケル・ガンボン |
アバーフォース・ダンブルドア | アルバスの弟 | キアラン・ハインズ |
ジェームズ・ポッター | ハリーの父親 | エイドリアン・ローリンズ |
リリー・ポッター | ハリーの母親 | ジェラルディン・ソマーヴィル |
フランク・ロングボトム | ネビルの父親 | ジェームズ・ペイトン |
アリス・ロングボトム | ネビルの母親 | リサ・ウッド |
本作でのメンバー | 特徴 | キャスト |
---|---|---|
アルバス・ダンブルドア | 創始者 | マイケル・ガンボン |
アーサー・ウィーズリー | ロンの父親 | マーク・ウィリアムズ |
モリー・ウィーズリー | ロンの母親 | ジュリー・ウォルターズ |
リーマス・ルーピン | ホグワーツ魔法魔術学校の元教師 | デヴィッド・シューリス |
セブルス・スネイプ | ホグワーツ魔法魔術学校の教師 | アラン・リックマン |
アラスター・“マッドアイ”・ムーディ | ホグワーツ魔法魔術学校の教師 | ブレンダン・グリーソン |
キングズリー・シャックルボルト | 本作から初登場 | ジョージ・ハリス |
ニンファドーラ・トンクス | 本作から初登場 | ナタリア・テナ |
シリウス・ブラック | ハリーの名付け親 | ゲイリー・オールドマン |
次作以降さらに増えていくよ!
映画「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」実際に視聴した感想・評価
ハリーがダンブルドアの前でのたうちまわるシーンでは毎回涙がちょちょぎれています。もちろん最高すぎて評価メーターの右端連打です
ストーリー展開
セドリックの死を悔やみ、せまく苦しい闇のなかでもがくハリーには、幸せそうな親子の笑い声でさえトラウマのトリガーになっていました。
毎日の隙間に何度も押し寄せる後悔と恐怖の気持ちに、あやうく支配されそうになるハリーですが、仲間がハリーを放ってはおきません。
本作「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」のメインテーマは“愛”です。
“愛”という不確かなものを軸に、ハリーと仲間たちが各々の正義を行使するストーリー展開にしびれました。
ハリー・ポッターは特別な使命を与えられた人物ですが、幸運にも愛と友情に恵まれた純朴な青年でもあります。
ハリーが立ち向かわなければならない苦難の量と同じかそれ以上に、ハリーはたくさんの人の愛情によって支えられているのです。
ハリー超たいへんだから、愛の量も人並みじゃ勝てないよ
不遇にも得られなかった愛を追い求めるのではなく、今と、少し先の未来にひろがる愛に期待することで、過去に縛られたヴォルデモート卿に立ち向かいます。
本作では、ヴォルデモート卿とハリーの結びつきがより前面に出てきますが、“自分のなかに感じる敵の一部分”と文字通りもがき苦しみながら戦うハリーの姿が印象的でした。
ヴォルデモートを「かわいそうな奴」と言ってのけるハリーに万歳!
キャラクターの魅力
魔法省の役人について「恐怖で心が歪んでしまっている。恐怖は人を追い詰める」と言及するシーンがありました。
本作のゲスト主役ともいえるアンブリッジは、一見するとただ頭の固いおばちゃんといった感じですが、彼女を支配するのもまた、ヴォルデモート卿への恐怖なのです。
恐怖がゆえに、異常なまでの防衛をしてしまい、防衛が度を越して攻撃になってしまう。
誰ひとり、記号的な悪役として描かないのが「ハリー・ポッター」シリーズの意地ともいえましょう。
誰しもに善と悪が備わっていて、誰しもがグレーゾーンで生きている。そう思うだけで、明日からの生活がちょっとだけ気楽になりそう
全キャラクターを魅力的に描ききるシリーズですので、“ほんわかふわふわ不思議ちゃん”ルーナなんてもう可愛いのみです。
おなかすいた。デザートたべたい
映像技術
ヴォルデモート卿とダンブルドア、最強魔法使い2人による壮大なタイマン勝負が見どころです。
何が起こってるのかいまいちわからないけど、めっちゃ強いことだけはわかる脳汁系戦闘シーンだよ
杖から飛び出す破壊のビームが、2人の中心で拮抗しているさまが美しくもあります。
もうひとつ特筆したいのが、ドラコ・マルフォイ(トム・フェルトン)の描かれ方です。
本作では見せ場の少ないドラコですが、ヴォルデモート卿の復活を経て“もういじわるな同級生程度ではいられない”というところまで闇が迫ってきています。
弱い心やしがらみに足を取られ、闇堕ち寸前のドラコがハリーたちと一緒にホグワーツをあとにする姿が、終盤しっかり映っているのです。
ドラコの周りにも、同じように同級生たちがたくさんいて、ハリーたちの世界となにも変わらなかったはずなのに…
なんてことのないワンシーンで、光と闇は共存しているということを描く技術に興奮しました。
再鑑賞
「ハリー・ポッター」シリーズは1作ごとに起承転転転転転結といえるほど展開が盛りだくさんですので、見るたびに新しい発見があります。
次に本作を見るときはアンブリッジの部屋にいるネコの数でも数えようかと思います。
まとめ|「不死鳥の騎士団」不穏な空気の中でも輝く魔法の素晴らしさは必見!
自分が住む街の電話ボックスも魔法界とつながっているかもしれない、そう思うだけで生活がきらめく気がします。
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」は、ヴォルデモート卿との対戦を前に不穏な空気を感じさせながらも、やはり魔法の素晴らしさで観客をときめかせてくれました。
ちなみに私はゴリゴリのドラコ・マルフォイ推しです
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