映画「ホテル・ムンバイ」は、2008年にインドで起こったムンバイ同時多発テロを題材にしたアクション映画です。
本作品は、立てこもり事件の人質となったお客とスタッフが手を取り合いながらピンチを切り抜ける超感動作!
でも観賞後に「ホテルは実在するの?」とか「実行犯は捕まったのか」など多数の疑問が沸いてきませんか?
そこで、この記事では「ホテルムンバイ」のどこまでが実話なのか?について検証していきます。
作品名 | ホテル・ムンバイ |
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公開年 | 2019年 |
上映時間 | 123分 |
監督 | アンソニー・マラス |
脚本 | アンソニー・マラス、ジョン・コリー |
音楽 | フォルカー・ベルテルマン |
キャスト | デヴ・パテル、アーミー・ハマー、ナザニン・ボニアディ、ティルダ・コブハム・ハーヴェイ、アヌパム・カー、ジェイソン・アイザックス |
配給 | ギャガ |
【ホテルムンバイ】実話?あらすじを簡単に紹介
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【結論】映画「ホテルムンバイ」は2008年のムンバイ同時多発テロの実話をもとにした奇跡の脱出劇。
2008年11月26日、インドの大都市ムンバイ。
ホテルのレストランのウェイターであるアルジュンは、その日も臨月の妻や幼い娘に見送られ5つ星のタージマハル・ホテルに出勤しました。
この日ホテルには、VIP客のアメリカ人白人男性デヴィッドと妻のザーラ、その赤ん坊とベビーシッターのサリーが滞在しています。
もう1組のVIP客ワシリーは女癖が悪く、気難しい男性でした。
その頃、ムンバイの駅やカフェで同時多発テロが発生。
武装した若いテロリストたちは首謀者から指示された場所へ行き、銃や手榴弾で無差別に街の人々を殺害していきました。
タージマハル・ホテルもテロの標的にされ、お客と一緒に紛れ込んだ数名のテロリストがホテルのロビーにいる宿泊客を次々と残酷に殺害します。
ホテルの厨房にいたオべロイ料理長は従業員を連れ、ドアが頑丈な6階のチェンバーズ・ラウンジへ避難。
レストランで妻と食事中だったデヴィッドは、部屋に残した赤ん坊とベビーシッターを心配し4階へ向かいます。
一方テロリストはホテルの各個室をノックし、ドアを開けたお客を次々射殺。
アルジュンは裏階段を使い、食堂にいるお客をチェンバーズへ案内しました。
ムンバイには特殊部隊がないため、1300キロ離れたニューデリーからの救助を待つしかなく、到着までには何時間もかかるのでした。
【ホテルムンバイ】実話?映画のラスト・結末はどうなったかネタバレ
ここからは映画「ホテルムンバイ」のラスト・結末がどうなったのかついてネタバレで見てみましょう。
さらに、劇中の生存者や犯行グループの行く末などもネタバレ解説していきます。
「ホテルムンバイ」映画のラスト・結末を解説
負傷者を助けるためチェンバーズから出たアルジュンは、正義感からホテルに入った地元警察2名と出会い、2階の警備室へ案内します。
ザーラやワシリー、デヴィッドは人質にとられ、足を負傷したテロリストのイムランがその見張りを任されました。
犯行グループがあちこちに火をつけホテルを燃やしはじめたので、アルジュンは保安室を出てこれまで隠れていたホテル客たちと合流し、チェンバーズへ向かいます。
そして多くの生存者がチェンバーズに集まり、火災から逃れるためホテルから脱出することを決意しました。
アルジュンや料理長を筆頭に危険を覚悟で逃げる人々。
しかし犯行グループは銃を乱射し、逃げているホテル客の一部は殺害されてしまいます。
そのころようやく特殊部隊や治安部隊がホテル内へ潜入。
無事ホテルから脱出したアルジュンは、同じく逃げ切った料理長を見つけ抱き合います。
その後帰宅し、アルジュンは妻子と無事再会を果たすのでした。
犯人・テロ組織はどうなった?
映画「ホテルムンバイ」に出てくるテロの実行犯は10名で、そのうち9名は治安部隊から殺害されました。
生き残りの1名は駅を襲った2名のうちの1人で、劇中で拘束されたアジマル・カサブです。
テロリスト10名の内、タージ・マハルホテルを襲ったのはフサム、イムラン、ラシド、アブドゥラの4名。
足を撃たれ人質の見張りを任されていたイムランは、治安部隊到着後すぐに殺されるシーンがありますね。
それ以外の3名は特殊部隊との撃ち合いになった際、手榴弾を投げ込まれ死亡したと思われます。
最後に生存が確認された登場人物は?
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最後まで生き延びた主要な登場人物は、アルジュン、ザーラ、サリー、赤ん坊のキャメロン、へマント・オべロイ料理長です。
デヴィッドやワシリーは主要人物ですが、人質として捕まった後、テロリストに殺害されてしまいます。
デヴィッドたちと同じ部屋にいたザーラはイムランに殺されそうになったとき、ムスリム式の礼拝の歌を歌うことで一命をとりとめました。
赤ん坊を抱いたままクローゼットに閉じ込められていたサリーは、他フロアにいたホテル客から発見され脱出!
夫デヴィッドを目の前で殺害されたザーラですが、ラストにはサリーが守っていた息子キャメロンと再会を果たします。
エンディングでは実際の記録映像が流れる
映画のエンディングでは、タージ・マハルホテルリニューアル時の記録映像が流れます。
ホテルは事件後一時営業停止となりますが、21か月後にめでたく再開!
このホテルのお世話になった生存者たちが世界各地から集合し、式典に参加しました。
【ホテルムンバイ】実話の事件を解説:犯人やテロの理由,日本人はいた?
この章では映画「ホテル・ムンバイ」のベースとなったムンバイ同時多発テロについて、解説していきます。
2008年ムンバイ同時多発テロとは
インドの9・11ともいわれるムンバイ同時多発テロは、2008年にインドの大都市・ムンバイで起こったテロ事件です。
映画「ホテル・ムンバイ」では、タージ・マハルホテルでのテロ事件を中心に描かれていますが、同時多発テロなので襲撃された場所はこのホテルだけではありません。
2008年11月26日の夜、ボートで到着した10人の若者がムンバイの駅やホテルなど10か所を襲撃。
タージ・マハルホテルと同じく5つ星のオベロイ・トライデントホテル、チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅、メトロ映画館やレオポルド・カフェなども狙われました。
またタージマハル・ホテル、ナリーマン・ハウス、オベロイ・トライデントホテルなどでは、犯人が人質を取って立てこもります。
11月26日から始まったこのテロ事件は、11月29日の朝まで続きました。
事件の犯人とテロの理由は
テロの実行犯を裏から操る首謀者や組織については諸説あり、その実態は明らかにされていません。
まず1つ目は、ラシュカレトイバというイスラム主義組織による犯行という説。
これについては逮捕された実行犯の1人が、ラシュカレトイバの一員であると供述しています。
2つ目は、27日に電子メールで犯行声明を出していたデカン・ムジャーヒディーンが犯人という説。
しかし「デカンの聖戦士」の意味を持つこの組織は似た名前の組織があることから、捜査を惑わせるための偽名の組織である可能性も示唆されています。
次に犯行組織のテロの動機ですが、人質の釈放を目的にしたものという筋が有力。
これについては実行犯の1人がオベロイ・タワーの人質解放と引き換えに、インドで拘束されている「ムジャーヒディーン」のメンバー全員の釈放を要求したという情報が上がっています。
実際の事件の死亡者・負傷者の数は
ムンバイ同時多発テロでは20ヶ国以上の人々が負傷、または死亡しています。
トータルの死者数は少なくとも172人ないし174人、負傷者数は284名となっておりその多くがインド人でした。
一方タージ・マハルホテルの死者数は36名、トライデント・ホテルの死者は35名でホテルでの犠牲者が多く出ています。
またタージ・マハルホテルの死者の半分が、宿泊客ではなくホテルのスタッフの方たちでした。
500人以上の人質がホテルに捕らわれる中、帰宅せずお客様ファーストで宿泊客を救おうとしたスタッフの方々がいらっしゃったことは非常に心苦しくなるような話です。
日本人の被害者はいた?
ムンバイ同時多発テロでは残念ながら日本人の被害者も出ていて、1名が死亡、1名が負傷しました。
亡くなったのは三井丸紅液化ガスの社員の男性で、「トライデント・ホテル」のチェックイン中にロビーで銃撃に巻き込まれたと報道されています。
また彼と一緒にいた同僚は、事件現場から逃げているときに軽傷を負ってしまいました。
三井丸紅液化ガスの社長は当時、亡くなった社員に対して「大変明るい人柄で、将来を嘱望された中堅社員として活躍していた」と、とても残念そうに話しています。
テロの実行犯はどうなった?
テロの実行犯10人の内、9人は治安部隊に殺害されていました。
拘束されていた生き残りのパキスタン人であるアジマル・カサブは、2010年にムンバイの裁判所で死刑を言い渡されます。
その後2012年、カサブ死刑囚はマハラシュトラ州プネーの刑務所で絞首刑となりました。
インドで死刑が執行されるのはとても珍しいことで、このテロ事件が如何に悲惨なものだったかを改めて再認識させられます。
【ホテルムンバイ】実話はどこまで?フィクション・ノンフィクション部分を解説
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映画「ホテルムンバイ」のストーリーと実話では、細部が少しづつ異なります。
そこでこの章では映画と実話を比較し、どこまでがフィクションなのかを考えてみましょう!
タージマハル・ホテルは実在するホテルである
映画「ホテルムンバイ」の主な舞台となるタージ・マハルホテルは実在するホテルで、ムンバイ同時多発テロでは大きな被害を受けました。
しかし映画の劇中で本物のタージ・マハルホテルの映像が使用されているのは、外観とリニューアル時の映像のみ。
それ以外のシーンは大きな屋敷や閉鎖された5つ星のホテルなど、別の場所で撮影されています。
事件後、現実のタージ・マハルホテルは火災や爆破で建物の損傷が激しく、営業を一時停止することなりました。
しかしなんとレストランは襲撃後、僅か3週間で復活!
オベロイ料理長の脅しに屈しないマインドもあって、速やかに再オープンしました。
その後タージ・マハルホテル自体も21か月後に再建され、現在も人気の5つ星ホテルとして健在しています。
実在する登場人物は料理長・オベロイのみ
映画「ホテル・ムンバイ」の登場人物の中で実在するのは、「お客様は神様」がモットーのオベロイ料理長のみです。
主人公でホテル従業員のアルジュンは、実在するホテルのウェイターや複数名のスタッフをモデルにして作られたキャラクター。
またアルジュンがシーク教徒であるという設定は、アルジュン役デヴ・パテルからの提案だったようです。
デヴはタージのドアマンの多くがシーク教徒だと知り、この提案を監督に持ちかけたと話しています。
ザーラやワシリーは実在しないが事件の生存者がモデルになっている
結論:ザーラやワシリーのモデルになった人物は実在していません。
しかしこの映画自体、現実の生存者への入念なインタビューを重ね作られているため、複数の生存者がモデルになっている可能性は大!
監督は事件に関するドキュメンタリーを見た際、テロリストの前で祈りを唱えたムスリムのエピソードが印象に残っていたようです。
劇中ザーラが礼拝の歌を歌うシーンなどは、このエピソードと繋がりが感じられるため、創作より実話に近いキャラクターになっています。
テロリストたちは本当に小船で上陸した
映画では、冒頭に10人の若者を乗せたボートが海岸に到着します。
大きなリュックを背負ったテロリストたちが2人組でタクシーに乗り、目的の現場に向かうシーンがありますね。
一方実話でも、大きなバッグを持つ10人ぐらいの若者がボートに乗って来たことが目撃されています。
これについてはカフ・パレード近隣とコラバ地区の海岸と2つの地区で目撃情報が!
コラバ地区でボートから降りてきた若者に声をかけた漁師は彼らの態度を不審に思い、通報したものの警察は行動を起こさなかったようです。
ちなみに劇中でテロリストたちがボートで陸に上がるシーンは、犯人が実際に現れた漁村の海岸でロケが行われています。
特殊部隊の到着は本当に遅かった…
映画のストーリーでは特殊部隊の到着が遅く、登場人物も私たち観客もイライラさせられますが、実際はどうだったのでしょうか?
映画の中で最初の襲撃から12時間以上経った頃、テロリストの首謀者が実行犯の若造に「特殊部隊が到着した」と伝えます。
よって特殊部隊や治安部隊がタージ・マハルホテルに入ったのは、最初の襲撃から12時間以上は経過していたでしょう。
実話では特殊部隊がテロ現場に到着したのは、テロ発生から9時間後。
多少の差はありますが、いずれにしても部隊の到着が絶望的に遅いという点では実話・フィクション問わず一致しています。
【ホテルムンバイ】見どころ・重要なポイント3選!
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映画「ホテルムンバイ」はスリリングなアクションを楽しみながら、ちょっと勉強にもなる素晴らしい作品です!
ここからは、映画内のおさえておきたい重要ポイントや見どころを3つご紹介します。
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見どころ①:実行犯は首謀者に操られるだけの子供
警備室の監視カメラからテロの実行犯を見た地元警察は「まだ子供だ…」と驚きます。
犯人たちの推定年齢は20歳前後からせいぜい20代までで、ほぼ全員が洗脳されており捨て駒状態。
若いテロリストたちは水洗トイレを見て「クソを流す機械がある」と無邪気に喜ぶ反面、無表情で罪のない人々を撃ち殺します。
彼らの犯行が極めて残酷で、見ていると怒りが込み上げてくるような許しがたい人物であることは否めません。
一方彼らに逐一指示を出している首謀者は様々な言葉を使い、白人やセレブへの憎悪を煽ります。
信仰深い若者たちは「神のため」などの言葉にコロリと騙され、首謀者の言いなりになってしまうのが恐ろしいところ。
洗脳されていますが、家族に電話し涙を流すイムランを見ていると、物事の真相に気づいたような後悔の表情を見せていますね。
このように映画「ホテルムンバイ」では犯人サイドの視点も入れる配慮があり、テロリストをただ単なる悪者として描いていません。
なぜテロ事件が起こったのか?や実行犯の境遇などがわかりやすく表現されているので、見終わった後前向きに問題と向き合おうという気持ちになれるでしょう。
見どころ②:終始スクリーンに釘付けのノンストップ感
映画「ホテルムンバイ」はアクション映画としての見ごたえも充分で、終始持っていかれっぱなしだと評判です。
張り詰めた空気での会話シーン、銃撃、爆音、赤ん坊が大泣きするなど、場面がちょうど良いテンポで切り替わり、常に好奇心を刺激されるでしょう。
また銃撃シーンでは加害者側である犯人と被害者の位置関係がわかりやすく、それを絶妙なカメラアングルで捉えています。
一触即発のシーンが続く中「特殊部隊がまだニューデリーにいる」という絶望的なニュースが入ってくるなど、映画でしか伝わらない緊迫した空気を感じ取ることも可能。
登場人物に感情移入しやすく「早く助けてあげてよ」という気持ちにさせられます。
見どころ③:キャラクターの描き分けが上手い群像劇
映画「ホテルムンバイ」はグランド・ホテル形式の作品ですが、1人1人のキャラが立っていて、他とカブりません。
よって1度目の鑑賞でも「この人は誰だっけ?」など不快な現象が起きず、しっかりストーリーにのめり込むことができるでしょう。
また群像劇というスタイルを上手く使い、パニック事態にありがちなパターン、陥りやすい罠などもわかりやすく説明してくれています。
例えば、差別や偏見、うっかりNG行動を取る人物の描写も秀逸。
アルジュンの髭やパグリーにイチャモンをつける白人の老人や、料理長に文句をいう客、ホテル内の情報を悪意なく外部に漏らしてしまう男など、いろんなタイプの困ったさんが出てくるのも面白いです。
一方で無謀ながら自主的にホテル内に潜入する地元警察や、お客様ファーストのホテルスタッフも活躍。
悪い人ばかりではないから頑張っていこう、という大きな希望が与えられます。
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【ホテルムンバイ】映画は実話をもとに名もなき英雄たちの活躍を描いている
- タージ・マハルホテルは実在するホテル
- 実はオベロイ料理長のみが実在の人物
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この記事では映画「ホテルムンバイ」はどこからどこまでが実話か?や、テロを実行した犯人像についてお伝えしました。
映画と実話の細部は違っていますが、監督のこだわりもあってかなり史実に忠実に作られています。
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