「スプラッター」とひと口に言っても、生理的に無理な線ギリギリをねらうのか…?
はたまたビヨヨ〜ン的びっくり箱人間として内臓をジャンプさせるのかetc…
無限の選択がある、まだまだ可能性を秘めたジャンル・スプラッター映画。
今回は、ホラー映画だいすきな筆者が、スプラッター映画にまつわる“暗いイメージ”を払拭すべく、なるべく明るい雰囲気で紹介していきます!
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この記事には映画の重要なネタバレを含む可能性があります。未鑑賞の方はご注意ください。
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【スプラッター映画】おすすめ人気ランキング10選:王道作品といえばコレ!
それではまず、スプラッター映画初心者の方でも比較的見やすい?王道10作品を紹介します。
とりあえず「何みよう?」と迷った方はこの中から選んでみてください。
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第1位:悪魔のいけにえ
作品名 | 悪魔のいけにえ |
---|---|
公開年 | 1975年 |
上映時間 | 1時間24分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
「スプラッター映画なんてまったく観たことがない」というあなたに、リトマス試験紙的に使っていただきたい名作がトビー・フーパー監督「悪魔のいけにえ」です。
以下紹介する、ほとんどのスプラッター映画の礎となっているといっても過言ではありません。
意味もなくはしゃぐ若者たちを、正体がよくわからないけれど恐ろしいことだけはハッキリわかるトンデモ家族が片っ端からやっつけていく、単純明快な物語。
とはいいながら、殺人家族をぶっとびキャラに留まらせる選択をせず、しっかり“家族”として描いているのが本作の素晴らしいところ。
「やばい一家が全力で追いかけてくるから、全力で逃げるしかない」というシンプルな構造も最高。
映画史に残る、オレンジ色に染まった美しいカットまで辿りつけたら、あなたにはスプラッター耐性があります。
第2位:ファイナル・デスティネーション
作品名 | ファイナル・デスティネーション |
---|---|
公開年 | 2000年 |
上映時間 | 1時間38分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信あり |
肉片や血しぶきが「作り物ですよー」という妙な色をしているからこそ、軽い気持ちで見られる場合があります。
本作「ファイナル・デスティネーション」は、殺し方博覧会的な派手さと、死に際のテンポのよさを楽しむ遊園地的スプラッター映画です。
ウソみたいな大腸とかがびよよ〜んと飛び出したり、人体がスパッと直線で割れたりするので、「怖い」という気持ちを横に置いて適当に楽しむことができるのが本作のポイント。
人気シリーズは第5作まで続き、類似作品の頻発も現在に至るまでとどまるところを知りません。
筆者はシリーズ3作目「ファイナル・デッドコースター」で、日焼けマシンのまま丸こげになる美女2人組のシーンがお気に入りです
第3位:13日の金曜日
作品名 | 13日の金曜日 |
---|---|
公開年 | 1980年 |
上映時間 | 1時間35分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
いまだに13日が金曜日に当たるとワクワクするのは、映画「13日の金曜日」の功績でしょう。
“シュッシュッシュッ・ハッハッハッ”という不穏な効果音は様々な媒体に流用され、スプラッターを好まない人の耳にもおなじみのリズムとなっていそうです。
ジェイソンが、なたや斧片手に青少年たちをぶったぎる本作。
2人でしけ込んでラブラブちゅっちゅモードになった者から順にブシャーされていきます
当時としては低予算で製作されたことから「リスクが少ない」と外野に小馬鹿にされながらも、ジェイソンを愛しぬいたチームの根性によって、時代を超えて語り継がれる名作ホラーとなりました。
チェーンソーは前述した「悪魔のいけにえ」のアイテム。混同しがちですが、ジェイソンはシンプルです
第4位:SAW
作品名 | SAW |
---|---|
公開年 | 2004年 |
上映時間 | 1時間43分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
見ているだけで気絶しそうなほどの、リアリティを重要視した人体損壊シーンと、理不尽極まりないストーリー展開が持ち味である映画「SAW」。
なぜか全世界でヒットし、2024年現在、シリーズは10作に及んでいます。
ファンの間では“ファイナルだとかいってたのに全然終わらない”シリーズとして、まるで“辞めるとかいってたのに全然辞めない”映画監督スティーヴン・ソダーバーグを愛でるがごとく寛大に受け止められ続けている作品です。
特に創作者の1人である、リー・ワネルが脚本を務めた3作目までの、トラウマ必至な過激映像はマジでなんで流行ったのかわからないドギツさ。
3作目までは、痛々しい殺戮の裏に、しっかりストーリーを感じられるのもポイントです。
筆者の大学時代、なぜか学内の本屋さんで「SAW」のDVDが売られてたなぁ…
第5位:チャイルド・プレイ
作品名 | チャイルド・プレイ |
---|---|
公開年 | 1988年 |
上映時間 | 1時間27分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
チャッキーという殺人人形が、縦横無尽に暴れまわり人間どもを木っ端みじんにしていく映画「チャイルド・プレイ」。
現在に至るまで豊富なシリーズ作品が量産され人気を博しています。
チャッキー人形は時代に即してアップデートされていくのですが、入門編としては本作のほかに2019年版、ラース・クレヴバーグ監督「チャイルド・プレイ」もオススメです。
初心にかえったタイトルでありながら、殺戮ドローンや自動運転殺人タクシーなど現代に根差したアイテムが登場するのが見どころのひとつ。
大学の本屋さんで売られていた「SAW」に続き、筆者の小学校時代には夏休みの合宿で「チャイルド・プレイ」を見せられたよ。当時の日本の学校教育、イカし(orれ)てた部分もありました
第6位:パージ
作品名 | パージ |
---|---|
公開年 | 2013年 |
上映時間 | 1時間25分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
“1年のうち1晩、12時間の間だけ殺人をふくむ全ての犯罪が合法になる”という設定一本で、数多の映画シリーズのみならずドラマ版にまで派生した人気シリーズ「パージ」。
広く話題になったぶん、視覚にうったえるスプラッター要素は低めですが、案外しっかりとしたストーリーラインで「殺人の意味のなさ」を感じられるので怖いです。
人体損壊シーンはライトなので、アクション映画としての側面が強いかな
パージの夜があるならばと、ムカついた相手を日々思っては「今年のパージは覚えてろよ…」と夜な夜な刃を磨いている人々が恐ろしい。
“もし自分がパージのある世界を生きることになったら”と妄想はふくらみますし、宗教団体の乱立や、仲間同士の裏切りなど、起こりそうなことがしっかり起こるのがミソです。
第7位:羊たちの沈黙
作品名 | 羊たちの沈黙 |
---|---|
公開年 | 1991年 |
上映時間 | 1時間58分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
主人公は連続殺人鬼でありながら“食人鬼”でもある恐ろしいキャラクターにもかかわらず、「紳士的」という一点で、オリジナル版の公開から30年以上経っても人気のシリーズとなっている映画「羊たちの沈黙」。
口元に鉄格子をはめられたハンニバル・レクターの姿は、スプラッターファンならずとも記憶にあるのではないでしょうか。
筋を通す男・レクターと、“まっすぐである”という点で共鳴したクラリス・スターリングFBI訓練生との、恐怖と好奇心、または拒絶と信頼入り混じる攻防が見どころです。
第1作終盤で、真っ暗闇の中バキバキに瞳孔を開いて犯人を追い詰めるクラリス(演/ジョディ・フォスター)の、ホラー映画における役割を全うした、完璧な姿にご注目ください!
第8位:グリーン・インフェルノ
作品名 | グリーン・インフェルノ |
---|---|
公開年 | 2014年 |
上映時間 | 1時間41分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
もちろんプロの役者は数人いたものの、アマゾンの奥地で生活していた本物の先住民に“映画とは何か”というレクチャーをしてから、その先住民たちに食人族を演じさせた倫理観ギリギリの映画「グリーン・インフェルノ」。
テレビさえ見たことがない相手に食人族を演じさせるとは、まかり間違って本当に食人に目覚めてしまってもおかしくない程の自由度が恐ろしい!
監督のイーライ・ロスは「安全な場所で撮りたくなかったんだ。死にかけたかったんだよ」と言っていましたが、隣では主人公を演じた、イーライの妻でもあったロレンツァ・イッツォが微笑んでいて「恐ろしい」となりました(久々に調べたら離婚してたので安心しました)
倫理観というか、人権保護の観点もクリアされているのか甚だ疑問ですが、せっかくなので先住民の皆さまの快演を浴びましょう。
第9位:ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ
作品名 | ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ |
---|---|
公開年 | 2015年 |
上映時間 | 1時間28分 |
U-NEXT | 配信なし |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信あり |
“不純異性交遊した者から順に殺されていく”という、いわばスプラッターホラーの定番展開を逆手にとったコメディ・スプラッター映画「ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ」。
王道作品メインのランキングに本作を入れたのは、コミカルで観やすいですし最高に楽しいからです。
“ある日、女優だった母の遺作であるスプラッター映画を観ていたら、映画館のスクリーンの中に入ってしまった主人公が、母の不純異性交遊を止めることで、母の死を防ごうとする”物語。
意味不明でしょうからとりあえず観てみてください
「死霊館のシスター」シリーズでおなじみ、タイッサ・ファーミガのくりくりとしたキュートフェイスがずっとアップで最高です。
第10位:冷たい熱帯魚
作品名 | 冷たい熱帯魚 |
---|---|
公開年 | 2011年 |
上映時間 | 2時間26分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信あり |
食肉の血を混ぜて再現したという“バラバラ死体”の凄惨さと、解体する者のあっけらかんとした様子との高低差に吐き気をもよおすほどの衝撃がある映画「冷たい熱帯魚」。
しっかりとしたストーリーテリングと予算感でつくられた、ヒューマン/スプラッター映画として、日本映画では個人的にNo. 1だと思います。
おぞましい物語をつむぐのは、観客のそばでスクリーンを眺めていてもおかしくないほど“普通”の人物たち。
凶暴でエゴイスティックな殺人犯の主人公・村田でさえ、そこに至るまでの足跡がうかがえる、我々と地続きのキャラクター設定が背筋を凍らせます。
実際に起きた事件をベースにつくられた映画だからこそ、真摯につくりあげて後世に語り継いでいく必要があったのでしょう
【スプラッター映画】おすすめランキング:上級者向け5選
続いて、王道は見たなぁ〜という方でさらなるスプラッターを求めている方向けに”上級者向け”5作品をご紹介。
↑リンクをクリックで知りたい項目へ飛べます。
第1位:アングスト/不安
作品名 | アングスト/不安 |
---|---|
公開年 | 2020年 |
上映時間 | 1時間30分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信あり |
“実際の事件が元になっている”という文言は、得てして信じがたいほど残忍な映画の冒頭に添えられますが、本作「アングスト/不安」にもいえることです。
「とにかく誰かを殺したい」という激しい欲求をもった男が、行き当たりばったりに残酷のかぎりを尽くして他人を殺める物語。
何度捕まっても改心するどころか、檻の中で過ごす時間をまるで“殺人の快楽を高めるための前戯”と捉えて楽しむような有り様です。
スプラッター要素をふくんだ殺害シーンは、犯人役・被害者役ともどもケガなしでは撮影し得ないであろう粗暴なつくりで、「スタッフの体調は大丈夫だったろうか」とまで心配してしまうほど、異様な空気が画面に映っています。
タイトル通り不安になりましょう
第2位:ファウンド
作品名 | ファウンド |
---|---|
公開年 | 2012年 |
上映時間 | 1時間43分 |
U-NEXT | 配信なし |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
2017年に小規模公開された映画「ファウンド」。
必要以上に“役割”を背負わされ、追い詰められた人間が、切ないまでの視野狭窄で殺人を犯す物語です。
ストーリーは、人殺しの“弟”の目線から描かれます。
メインコピーは“僕の兄は、クローゼットに〇〇を隠してる。”
…と聞いて、おそらく今あなたが想像した中で最悪のものが隠されているかと思います。
メインキャラクターの兄弟が映画好きなので、劇中映画が度々登場するのですが、物語のキーとなる「ヘッドレス」というヤツはグロすぎ注意です。ゴア寄り(後に解説します)。スプラッターに慣れた私でもちょっとトゥーマッチで胃がムカムカしました
本作は凄まじくグロいだけでなく、愛や役割についての教訓やエモまで捉えていて、私は初見時感動してちょっと泣きました。
第3位:屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ
作品名 | 屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ |
---|---|
公開年 | 2019年 |
上映時間 | 1時間55分 |
U-NEXT | 配信なし |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
とにかく面白くて、画面に吸い込まれそうになります(臭そうすぎて絶対に嫌ですが)。
不潔極まりない人物造形と、おぞましい生活の一部を切り取るやり方で、キャラクターが“ギリギリ人間のかたちを保っただけで生きている”様子を魅せてくれる、汚く美しい映画「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」。
もちろん実在した殺人者だよ…世界というのはかくも恐ろしいものか。ドイツの悪い子はかつて「ホンカが来るぞ!」と親に叱られたのだとか
前述した「アングスト/不安」にも通じますが、撮影の際に演者がケガしてないはずがない肉弾戦カットが多々あります。
でもケガの有無は現場の問題なのであり、そんなことは鑑賞者には関係ないので「大迫力でとっても楽しい!」と作品を享受するのが吉です。
第4位:ドリーム・ホーム
作品名 | ドリーム・ホーム |
---|---|
公開年 | 2011年 |
上映時間 | 1時間36分 |
U-NEXT | 配信なし |
Amazonプライム | 配信なし |
Netflix | 配信なし |
マンションの値段を下げ購入するためだけに、なりふりかまわず目当てのマンション住人を殺しまくるというシンプル設定が楽しい映画「ドリーム・ホーム」。
いいタイトル!シンプル・イズ・ベスト!
華奢な体で、男女問わず片っ端から殺しあげていく(造語)さまは、なかなか死なない被害者たちの「グニュニュグニュ…」みたいな断末魔と相まって、中毒性のある魅力を放ちます。
散々殺しといて、家に帰ればお母さんの手に刺さったトゲなんか抜いてあげたりして優しいね
大腸がドバドバと転がり落ちたり、性行中の男女が動きに合わせて殺られたりと、コミカルなシーンもありバランスが良いです。
全員おしなべて強欲なキャラクターで描かれるマンション住人たちが、なんか幸せじゃなさそうなのも胸をえぐりました。
第5位:ムカデ人間
作品名 | ムカデ人間 |
---|---|
公開年 | 2011年 |
上映時間 | 1時間30分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
人間の口と肛門とを縫合し“ムカデ人間”をつくる、というアイデア一強でランクイン・グロした映画「ムカデ人間」。
タイトルだけは当時広く話題になりましたよね
タイトルに相違ない事象が次々起こりますし、少し想像しただけで考え得る気色の悪いことは絶対に起こります。
本作はスプラッターとかホラーとかの理由ではなく、人間として生理的に受け付けない方が大半ではないでしょうか。
先頭はだいぶマシでしょうが、人と人の間に挟まれた人とか…ヴォエェ。筆者も1回観てもうムリです。
一応続編も1回だけ観ましたが、本作「ムカデ人間」を観て感銘を受けた人物が、模倣犯として登場する設定は素晴らしいアイデアだと思いました。
私も第3作目にはたどりつけずにいます。
【スプラッター映画】おすすめランキング:日本のスプラッター5選
日本映画にももちろん、「スプラッターはあります!」。
ということで、代表的な日本のスプラッター映画を5作品ご紹介します。
↑リンクをクリックで知りたい項目へ飛べます。
第1位:バトル・ロワイアル
作品名 | バトル・ロワイアル |
---|---|
公開年 | 2000年 |
上映時間 | 1時間54分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信あり |
昭和末生まれの筆者世代が全員観たかもしれないレジェンド・オブ・ジャパニーズ・スプラッター「バトル・ロワイアル」。
男根を切り落とす柴咲コウが脳裏にこびりついて取れません。
そこで今日はみなさんに、ちょっと殺しあいをしてもらいます
黄色がかった独特の画面、安藤政信が流した赤い涙、病みすぎているキタノ…本作を構成するすべてがトラウマすぎて、ありがたい気持ちになります。
とにかく衝撃的な映像表現とともに、文字を使った斬新な心情表現もとにかく恐ろしい。
慈悲や思いやりの気持ちなどあったものではない、“かかった”状態の青少年たちが興奮と勢いで同級生を殺しまくる残酷映像の限りを楽しみましょう。
バトロワはキツい部類のスプラッターです。心情表現がねっとりしているぶん、入り込んじゃってツラい!鑑賞は自己責任で…
第2位:人魚伝説
作品名 | 人魚伝説 |
---|---|
公開年 | 1984年 |
上映時間 | 1時間50分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信なし |
Netflix | 配信なし |
真っ裸で、憎しみあらわに男を刺す・刺す・刺す!
夫を殺された復讐の海女が、大海原を真っ赤に染める映画「人魚伝説」。
じっとり、ねっとりと描かれる陰謀と裏切り、そして湿度たっぷりの肉弾戦は日本、ひいてはアジアを代表する哀しきスプラッターとして語り継がれています。
登場人物たちの、見ているこちらが心配になるほどの暴れっぷりに、「今吹き出している血しぶきは本物なのでは」と邪推してしまうほど。
ほぼ裸の演者にどうやって血を仕込んだのか、インタビューさせていただきたい!襲ってる方素っ裸だしな…
肌と肌がぶつかりあう「ベチッ」という生々しい音と、これでもかと噴き上がる血しぶき、気合いの入った傑作スプラッターです。
第3位:リアル鬼ごっこ 2015劇場版
作品名 | リアル鬼ごっこ 2015劇場版 |
---|---|
公開年 | 2015年 |
上映時間 | 1時間25分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
開始10分の間にとんでもない量(数ではなく、あえての量)の人間が真っ二つに!
かっ飛ばしスタートをきるのは、ふんわりしたイメージの強かったトリンドル玲奈さんが絶叫で走り続ける映画「リアル鬼ごっこ 2015劇場版」です。
“人vs風”という斬新な対決ものでもあり、スプラッター然としたブッシャー感も満載で「楽しけりゃいいじゃん!」という、映画として至極正しい方向へ舵を切った本作。
詩人でもあった園子温監督の、“てにをは”を意識した妙な台詞回しがアバンギャルドな“新機軸スプラッター”といったところでしょうか。
園子温監督について思うところはありますが、私は「死にものぐるいで出演した俳優さんたちの姿を、ただ作品上で受け取りたい」という考えです
第4位:アイアムアヒーロー
作品名 | アイアムアヒーロー |
---|---|
公開年 | 2016年 |
上映時間 | 2時間6分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
花沢健吾先生による同名漫画を、“漫画を実写化させたら右に出る者がいない”佐藤信介監督が映画化した「アイアムアヒーロー」。
ゾンビ映画ですが、血がぶしゃぶしゃと噴き出す終盤の肉弾戦は、邦画ではなかなかめずらしい完成度を携えたスプラッターでもあります。
血生臭い環境下の有村架純氏や長澤まさみ氏があまりにかわいくて
原作漫画の世界観をそのままに、“速くて型破り”なゾンビと大泉洋氏の対決を楽しめるエンタメ作です。
なんか本作に関しては、役名じゃなく俳優名で紹介したくなる感じ…吉沢悠氏も岡田義徳氏もすごくいいんだよ…塚地武雅氏によるスプラッター爆シーンもお見逃しなく!
人気タレントで固められた世界観でありながら、「しっかり怖い」造形へのこだわりをお楽しみください。
第5位:真・事故物件 本当に怖い住民たち
作品名 | 真・事故物件 本当に怖い住民たち |
---|---|
公開年 | 2022年 |
上映時間 | 1時間19分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信なし |
Netflix | 配信なし |
小規模公開ながら、サブスク流入とともにジワジワと話題を広めた映画「真・事故物件 本当に怖い住民たち」。
B級感あふれるパッケージからは想像もつかない、だいぶ攻めたスプラッター表現が見どころです。
感傷的な劇伴を背負い包丁がえぐるのは顔面のど真ん中。
超至近距離でとらえられる、たった今えぐられた傷口は胃の奥をムカムカとたぎらせるほどの迫力です。
個人的に、YouTuberとして活躍中のRaMuさんと、謎のギャル・御法川イヴさんの、メーターを振り切った熱演が大好物でした!
第2作目となる「真・事故物件パート2 全滅」(素敵なタイトルですね)と併せて、日本低予算スプラッターの底意地をご覧ください。
【スプラッター映画】おすすめランキング:マニアが選ぶ厳選5選
最後に、ホラー映画/スプラッター映画が好きな筆者がおすすめする、マニアックな作品をご紹介して終わりにしたいと思います…!
↑リンクをクリックで知りたい項目へ飛べます。
第1位:デビルズリジェクト~マーダーライドショー2~
作品名 | デビルズリジェクト~マーダーライドショー2~ |
---|---|
公開年 | 2006年 |
上映時間 | 1時間48分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
筆者がこの世界で最も愛している映画「デビルズリジェクト〜マーダーライドショー2〜」!
ホラーのみならずオールジャンル・オールタイムベストです
ザラザラ画面の向こう側、警察に包囲された一家が互いの愛情をたしかめるように身をひそめる最高のオープニングは、この世で一番カッコいいタイトルインを経て観客を荒野に蹴り出します。
“ファイアフライ”一家は1人ひとり個性を爆発させながら、理不尽な殺人欲求を携え道ゆく人をぐちゃぐちゃに傷つけていく。
倫理観もなにもあったもんではないですが、ロブ・ゾンビ監督の確固たる音楽センス・美的センスで調合された奇跡の一本は「かっこいい!!」と叫んでしまう程の傑作です。
なぜスプラッター映画に心躍るのか思い出させてくれる、根源的作品。最高なので全員観てほしい!
>>デビルズリジェクト~マーダーライドショー2~を無料視聴する
第2位:カミュなんて知らない
作品名 | カミュなんて知らない |
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公開年 | 2006年 |
上映時間 | 1時間55分 |
U-NEXT | 配信なし |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
映画「カミュなんて知らない」が属するのは、“映画製作系スプラッター映画”というジャンルです。
ついでに実際にあった事件をモチーフにしているごっつい一本。
「カメラを止めるな!」とかも構造は似ているんだけど、本作は笑みがこぼれるシーンなど皆無です。「うへぇ…」みたいな疲労顔になって観ること請け合い
オープニングから芯を持って多様される、人物を追うようなカメラワークが没入感を増幅させ、どんどん恐怖に敏感になっていく観客。
登場人物たちそれぞれのいびつな人格が違和感となり、虚実の境を曖昧にしたスプラッターシーンの恐ろしさをグンと引き上げてくれます。
本当に傑作なんですよ。個人的に公開当時衝撃を受けて、「吉川ひなの怖えぇ」となってました、オススメです
第3位:サプライズ
作品名 | サプライズ |
---|---|
公開年 | 2013年 |
上映時間 | 1時間34分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信なし |
Netflix | 配信なし |
主演無双でスカッとしたいなら映画「サプライズ」一択!
ガールスカウト仕込みのサバイバル術で、裏切り者たちを片手で捻りつぶしていくヒロインが爽快です。
たぬき顔美女が好みの筆者、本作ヒロインを演じたシャーニ・ヴィンソンがマジで、うわっやっぱ超かわいい(いま再検索した)
仮面をかぶった、パージみあふれる外敵から、“状況が読めないけどとりあえず身を守る”という緊急対応を要される登場人物たちの、臨機応変でアクロバティックな対応は必見。
特に「位置について、用意ドン」にまつわる衝撃シーンは、スプラッターホラー界に残る、トラウマ的損壊シーン!
ヤンクミばりに勝ちまくるヒロインに自分を重ねて、日ごろのストレスをミキサーで砕いてもらいましょう。
第4位:ハウス・ジャック・ビルト
作品名 | ハウス・ジャック・ビルト |
---|---|
公開年 | 2018年 |
上映時間 | 2時間32分 |
U-NEXT | 配信あり |
Amazonプライム | 配信あり |
Netflix | 配信なし |
ジャックが“何を材料に”ハウスをビルトするのか、エド・ゲインなどのシリアルキラーをベースに構築された主人公・ジャックを思えば自然と答えにたどり着くでしょう。
映画「ハウス・ジャック・ビルト」は、突発的に殺人を犯すわりには神経症を患っているジャックが、「血しぶき拭き損じてないかな」などと不安を爆発させながら何度も現場に戻り、床や壁をふきふきする爆笑映画です。
“やり直し”しすぎてどんどん事態が悪化していくのが爆笑ポイント
そんな風にリアリティを保った面白さもありつつ、神がかったパワーを感じずにはいられない“超幸運”の持ち主であるジャックもまた笑えます。
油断して笑っていると、劇場を退出する観客がいたというほどどえげつないスプラッターが急に差し込まれるので、緩急に肝を冷やしましょう。
第5位:Strange Circus 奇妙なサーカス
作品名 | Strange Circus 奇妙なサーカス |
---|---|
公開年 | 2005年 |
上映時間 | 1時間48分 |
U-NEXT | 配信なし |
Amazonプライム | 配信なし |
Netflix | 配信なし |
おぞましい虐待描写に、赤・赤・赤と心体とも血で染まる地獄のような病的世界で生きる小説家の物語が、トラウマ的魅力を放つ映画「Strange Circus 奇妙なサーカス」。
グロテスク極まりない性行シーンやリンチシーンに加え、四肢解体や人体改造、破壊行為、あらゆる恐怖をねっとりと描いた本作に、個人的には“スプラッターを超えたスプラッター”という印象を持っています。
とにかく痛い!肉体以上に心が破壊されるので、観ているこちらも麻痺して病んでくる恐ろしい巻き込み力。要注意
余談ですが、トラウマ必至の本作で少女を演じた桑名里瑛さんは「東京ヴァンパイアホテル」にて園組に再登場しています。
子役への配慮、ご心配には及びません。元気そうで本当によかった!
>>Strange Circus 奇妙なサーカスを無料視聴する
【スプラッター映画】とは?どんなジャンルなのか
最後にもう1つ、そもそも”スプラッター映画”とはなんぞや?ホラー映画の中でもどんなジャンルなのかについて、できるだけわかりやすく解説してみました。
また、スプラッター映画の現代の起源となった作品「血の祝祭日」についても解説しています。
↑リンクをクリックで知りたい項目へ飛べます。
スプラッターの言葉の意味は
「液体がはねる、飛び散る」という意味をもつ“スプラッター”という言葉。
映画ジャンルとしてのスプラッターは、本来言葉のもつ意味になぞらえて、肉体の一部分を切り落とし、豪快に血液を噴き出させたりするような、人体損壊をともなう過激なジャンルを指します。
ホラー映画だいすきですが、すべての映画を愛する身として、スプラッター映画から「マニア向けの変態動画」的イメージを取り除きたい!
上記のイメージは、一部の猟奇殺人犯が捕まったときに「自宅にはスプラッターものの残虐なコレクションが…」という報道がなされることも理由かなぁと思います。
いかにも関連性ありそうだもんね
いちスプラッター映画好きとして、この言説は不快極まりない!
派手な血しぶきに日ごろのストレスを重ねて、束の間の逃避場として真っ赤な画面を観ているのです。(私は)
“怖いもの好き界隈”の方は、私もふくめ怖がりが多いと感じます。
怖がりだから怖いコンテンツがより楽しいのだ…スプラッターファン自体は全く怖くないし、過激なものが好きだからって恥じるべきじゃない!
ゴア・ムービー(ゴア映画)との違い
1970年以前は、スプラッター映画こそを“ゴア映画”と呼んでいたのだとか。
2024年現在では、なんとない共通認識として“スプラッターを煮詰めたものがゴア”くらいの差異でしょうか。
スプラッターとゴアを=(イコール)で考える民もいるよ
個人的には、スプラッター<ゴアという認識。
あまりに直接的な表現だったりすると動物的な本能で逃げたくなってしまうというか「むり」と思って鑑賞をやめたりするのですが、その「むり」の先がゴアかと思います。
その果てがスナッフ?さすがに見たことないけど
スプラッターの枠までが、私個人的にはホラーとして楽しめる範囲です。
ハーシェル・ゴードン・ルイスの「血の祝祭日」が始まり
ドライブイン・シアターで流したことで若者たちに衝撃と感動を与えたとされる、1963年の奇跡「血の祝祭日」。
現在も配信されていました!
私も楽しみましたが、演者たちが画面に向かって体を開いてくれる、演劇システムが親切でした。
「オー、ゴーッド」みたいな無感情芝居とTHE・ペンキ発色な血のりも愛おしく、スプラッターホラーの始祖ともいわれる作品がキュートというのはうれしい気持ちになります。
油断してると素手で舌を引っこ抜いたりするので最高です
効果音がほとんどついていないので、シンプル肉体芸術というか、カット割りで工夫した感じもまた愛くるしい逸品でした。
【スプラッター映画】おすすめランキング:まとめ
筆者厳選・血まみれのランキング、ほぼ全作を気軽に自宅ポチできるとは、映画配信全盛の時代に感謝です。
あんまりぶっ続けで観ると食傷してしまうので、コジコジとか挟んでバランス取ってくださいね
私自身、久々に名作スプラッターを掘り返せて幸せなランキングでした!
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