「すばらしき世界」は、2021年に公開された日本の映画で、役所広司さんが主演を務めました。
監督は、「ゆれる」や「永い言い訳」の西川美和さんが務めており、高い評価を受けている作品です。
過去に殺人を犯した人間が、社会に適用できるのかというストーリーが見どころになります。
そして、「すばらしき世界」の主人公は、田村義明さんという実在の人物がモデルになっています。
こちらでは、作品の見どころに加えて実際の出来事との比較もしていくので、ぜひ参考にしてみてください!
作品名 | すばらしき世界 |
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公開年 | 2021年 |
上映時間 | 126分 |
監督 | 西川美和 |
脚本 | 西川美和 |
音楽 | 林正樹 |
キャスト | 役所広司 仲野太賀 六角精児 長澤まさみ 橋爪功 |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
【すばらしき世界】実話?あらすじを簡単に解説
【結論】映画「すばらしき世界」は実在する田村明義さんの実話をもとにしたヒューマン作品である。
主人公の三上は、13年の刑期を経て旭川刑務所から出所しました。
模範囚だった三上は、久しぶりの社会に胸を膨らませるも、現実は甘くありませんでした。
運転免許の取り直し、職探し、久しぶりの娑婆で三上はやることなすことに困難が伴います。
しかし、少しずつ市井の人々との交流が生まれていき、三上は社会で居場所を見つられるようになりました。
そして、三上は幼い頃に行方不明になった母を探すために、自分の履歴書をTV局に送るのでした。
【すばらしき世界】ラスト・結末のネタバレと最後の死因を考察
「すばらしき世界」の結末や細部の解説をまとめていきます。
映画のラスト・結末の解説
TV局のスタッフである津野田と出会い、三上は自分の人生を生きていこうと奔走します。
嘘が嫌いで人間臭すぎる三上は、トラブルが絶えませんでしたが、介護施設の就職が決まりました。
しかし、介護施設では障害を抱えるスタッフへのいじめが横行していることに気付きます。
いじめに対して何もできない自分に悩んでいた三上は、嵐の夜に突如亡くなってしまいました。
三上の突然の死は解釈が分かれますが、個人的には社会に順応することに耐えられなくなったことの象徴だと思います。
嘘がつけない三上は、介護施設に入って初めて嘘をつきました。
死因は明らかになっていませんが、自己保身の嘘をついたことを、激しく悔やんでいたことは想像がつきます。
三上の最後の死因は?
三上の死因は、明確にはわかっていません。
ただ、冒頭のシーンで血圧の検査をしていたことから、持病があることと薬の服用をしていたことがわかります。
高血圧の持病と、様変わりした社会や新しい職場環境によるストレスによる、脳血管障害の可能性がありそうです。
タイミングがあまりにも唐突なので、自殺を疑いたくもなりますが、個人的には自殺ではないと考えています。
元妻から連絡があったことや、周囲との関わり合いを見ると、すぐに極端な選択には至らないのではないかと思いました。
ただ、かなり激しい環境の変化の積み重ねが、三上を少しずつ苦しめていたことは確かでしょう。
実話と映画の違う点
「すばらしき世界」は、実在の殺人犯である田村明義さんをモデルにしたフィクションです。
昭和の後期に出所した田村さんでしたが、映画では現代を舞台に物語が展開されていきます。
また、田村さんは佐木隆三さんのもとを訪ねて、自分の小説を書いて欲しいと懇願しました。
しかし、映画版ではTV局のスタッフという設定に置き換えられています。
基本的な設定は共通していますが、オリジナルキャラクターが追加されたり、母親を探すシーンが加えられました。
映画の原作は佐木隆三さんの小説「身分帳」

「すばらしき世界」の原作は、佐木隆三さんの小説「身分帳」です。
佐木隆三さんは、ノンフィクション小説を得意とする作家で、「復讐するは我にあり」が代表作になります。
そして、1990年に小説は出版され、第2回伊藤整文学賞を受賞して高く評価されました。
西川監督は、佐木隆三さんが亡くなったことをきかっけに「身分帳」の存在を知り、映画化しようと脚本を書いたそうです。
【すばらしき世界】映画は何を言いたかった?考察
主人公がラストに死んでしまうという展開から、「すばらしき世界」は真っ当なハッピーエンドとは言えないと思います。
しかし、展開とは裏腹にタイトルは「すばらしき世界」というとてもポジティブな響きのものです。
ほぼ間違いなく、タイトルには皮肉が込められていると感じました。
三上の過去の罪を葬ることはできませんが、出所後の三上は実直に生きようとしていました。
ところが、三上は、人間社会の”濁り”を目の当たりにして、自己保身的な嘘をつきます。
「すばらしき世界」にはあらゆる属性の人間が登場していました。
殺人犯や障害者、あらゆる事情を抱えていながら、平等に生きていける社会にはなっていないと感じさせられます。
社会の有様を見て、「すばらしき世界」を言えるのか?という、監督からの問いが込められた作品なのではないでしょうか。
【すばらしき世界】映画の元ネタ・モデルになった田村義明さんとは
映画のモデルになった田村義明さんのことを書いていきます。
一体どんな人生を送ってきたのか、壮絶な人生と生き様をぜひ知っていただきたいです。
受刑10犯・24年間を刑務所で過ごした
田村義明さんは、殺人などの罪を犯しており、前科10犯で延べ23年間を刑務所で過ごしたそうです。
成人して以降、娑婆で2年以上続いて暮らしたことはないという、にわかに信じがたい人生を送っていました。
社会生活に慣れていない田村さんは、些細なことも上手く順応できずに、失敗を繰り返していたといいます。
見た目は、横山やすしさんに似ているそうで、本人は映画化されるとしたら「高倉健がいいかな」と言っていたそうです。
そして田村さんは、「身分帳」の出版半年後に、命を落としました。
また、田村さんの情報はなくなっていたところ、奇跡的に肉声のデータが見つかり、2021年にラジオで公開されていました。
「身分帳」原作者・佐木隆三さんとの関係
田村さんは、獄中の13年間で佐木隆三さんの書籍を読んでおり、出所後に自身の半生の執筆を依頼しました。
犯罪者の話はホラ話が多く、佐木さんは断るつもりでしたが、真っ白な戸籍謄本を見て依頼を受けると決めたそうです。
社会で生きた経験が少なく、些細なことに悪戦苦闘する田村さんを見て、「期待に応えよう」と思ったと言います。
佐木さんと田村さんの関係は、「身分帳」にも反映されており、映画では、三上と津野田の関係に当てはまります。
「身分帳」も「すばらしき世界」も2人の関係性の深まりが、とても見どころある作品です。
【すばらしき世界】映画の見どころ・重要なポイントを紹介
殺人犯の生き様を描いた「すばらしき世界」の重要なポイントを3つピックアップしました。
作品の読み解きや、魅力を掴む上で大事なところなので、ぜひご覧ください!
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見どころ①:役所広司さんの演技を見逃すな

「すばらしき世界」で最も素晴らしいのは、役所広司さんの演技と答える人がほとんどではないでしょうか。
「日本で最も凄い俳優」と言っていい大ベテランですが、役所さんのキャリアでも屈指の演技だと思います。
元殺人犯の凄み、チャーミングな性格、どこか目が離せない華やかさは、役所広司さん以外では成り立ちません。
九州出身の役所さんによる、流暢で迫力ある博多弁も見どころです。
また、役所さんは監督で脚本も兼任した西川さんと、一字一句セリフの打ち合わせをしたといいます。
とてつもないプロ意識が、実際の演技にも反映されているので、役所さんの演技を一秒たりとも見逃さないでください。
見どころ②:意外と笑えるユーモアを見逃すな
「殺人犯の出所後の生活を描いた映画」と聞くと、壮絶な社会派ドラマを想像すると思います。
もちろん社会派の側面もありますが、「すばらしき世界」には意外にもユーモアが含まれていました。
運転免許を取り直すために教習所に通うシーンは、歩き方が刑務所時代の癖が抜けていない様子が描かれています。
さらに、三上の運転がうまくいかずに、教官が助手席で笑いを我慢しているところは、こちらまで吹き出しそうでした。
ちょっとやり過ぎかもしれないと感じますが、三上の人間性を感じるには、必要不可欠なシーンだと思います。
見どころ③:三上の嘘を見逃すな
「すばらしき世界」だけに限らず、西川美和監督の作品は、ラストに解釈が分かれる展開が多いです。
三上の死に一体どういう意味が込められているのか、鑑賞すると考えてしまうことでしょう。
「嘘」をテーマにすることが多かった西川監督でしたが、三上は嘘がつけない人間として描かれます。
出所後に、三上が一度だけ嘘をついたシーンは、観た人ならとても印象に残るはずです。
しかし、三上がついた嘘は、我々はよくついている嘘ではないでしょうか。
嘘がつけない三上の嘘は、物語のテーマの中心にあると思うので、特に注目してみてください。
【すばらしき世界】映画を見るなら見放題のU-NEXTがおすすめ

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【すばらしき世界】映画は実話・実在する人物をモデルにしている
- 「すばらしき世界」は実際の事件を基にしたフィクション
- 役所広司さんの演技が特に高く評価されている
- ラストの解釈は人によって分かれるものになっている
「すばらしき世界」は、実際の殺人犯である田村義明さんをモデルにしたフィクションです。
出所後の社会でなんとか懸命に生きていく様子を、丹念に描いていました。
特に役所広司さんの演技が評価されていますが、ラストは解釈が分かれるものになっています。
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