ファーザー・アモルトは実在していた!
エンドクレジットの末尾でペロッと舌を出しているおちゃめな神父は、悪魔に殺されかけたとてユーモアを忘れません。
生まれ持った生命力で、人生のほとんどを悪魔祓いに費やしたガブリエーレ・アモルト。
16万回もの悪魔祓いを行ったとされるアモルト神父を、シリアス&コメディでキュートに演じるのはラッセル・クロウ!
今回は「ヴァチカンのエクソシスト」アモルト神父を掘り下げるとともに、作中の悪魔の正体などをネタバレありで解説します。
作品名 | ヴァチカンのエクソシスト |
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公開年 | 2023年 |
上映時間 | 1時間43分 |
監督 | ジュリアス・エイヴァリー |
脚本 | マイケル・ペトローニ エヴァン・スピリオトポウロス |
音楽 | ジェド・カーゼル |
キャスト | ラッセル・クロウ ダニエル・ゾヴァット アレックス・エッソー ほか |
配給 | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (日本) |
【ヴァチカンのエクソシスト】実話?映画のあらすじを簡単解説
【結論】「ヴァチカンのエクソシスト」は実在したエクソシスト・アモルト神父の回顧録を基に制作された。
ガブリエーレ・アモルト神父は、生前16万回もの悪魔祓いをおこなった、実在した神父です。
アモルトは、壮絶な悪魔祓いの内容を「An Exorcist Tells His Story」「 An Exorcist: More Stories」という2冊の回顧録にまとめています。
生涯で30冊以上の書籍を発表したアモルト神父ですが、映画「ヴァチカンのエクソシスト」の原作となったのは、前述の2冊です。
しかし映画は、エンタメの範囲を守ってつくられており、VFXで誇張した憑依映像がアモルトの見たままかどうかは、定かではありません。
アモルトがおこなった悪魔祓いについての16万回という数字は、人数ではなく回数です。
ときに何百回もの悪魔祓いを要する人物もいたのだとか。
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バスケス家は、母のジュリア(演/アレックス・エッソー)とエイミー(演/ローレル・マースデン)・ヘンリー(演/ピーター・デソウザ=フェイオニー)の姉弟からなる3人家族。
最愛の夫を亡くしたジュリアは、子どもたちを食べさせるため、スペインの修道院にて泊まりこみで修復作業をおこなうことに。
しかし、古い修道院に到着するやいなや、長男のヘンリーが異様な言動を繰り返すのです。
一家は、ガブリエーレ・アモルト神父と出会い、悪魔祓いを試みるものの…。
【ヴァチカンのエクソシスト】映画の結末や悪魔の正体をネタバレ解説
それでは、映画「ヴァチカンのエクソシスト」の結末を解説するとともに、悪魔の正体について書いていきます。
「ヴァチカンのエクソシスト」結末・ラストの解説
物語は、経験の浅いトマース・エスキベル神父(演/ダニエル・ゾヴァット)とアモルト神父のバディ感を楽しむ構造。
アモルトと悪魔との戦いを描きながら、トマースの成長を愛でる作風です(後述)。
悪魔は、人の罪悪感につけこみます。
アモルトにとっては、救えなかった少女。
またトマースにとっては、“肉体関係を持ちながら結婚をしない”という神父としてのタブーを犯した、かつての恋人、そして神への罪悪感がありました。
悪魔は、2人それぞれにトラウマ対象の姿となって襲いかかりますが、2人は強い気持ちで立ち向かいます。
一度はアモルトを深く傷つけた悪魔。
アモルトを支配しかけた悪魔は、距離を越えヴァチカンにまで影響を及ぼしますが、最終的に2人は悪魔に打ち勝ちました。
今回の修道院には悪魔が封印されていたと知る2人。
そして、この場所のほかに、世界には残り199体の悪魔が封印されていると知った2人は、「Let’s go to hell.(ともに地獄まで)」と握手を交わすのです。
悪魔の正体・名前は?
キング・オブ・ヘル、またはゲヘナの帝王と呼ばれるアスモデウスです。
色欲を司るといわれるアスモデウス。
肉体に弱みをもつトマースなど格好の餌食だったでしょうが、結局は生者を前に敗北していました。
ヘンリーに憑りつきながら、近くにいるエイミーにまで影響しつつ、ジュリアを弄ぶ器用なアスモデウス。
「冗談を嫌う」という悪魔らしい性質をもちながら、わりとおしゃべりでもありました。
【ヴァチカンのエクソシスト】実話の元ネタ・実在したアモルト神父とは
続いて、映画の元ネタとなったアモルト神父について掘り下げます。
生涯で数万回の悪魔祓いを行ったリアル・エクソシスト
ローマ教区のエクソシストとして、36年間で16万回もの悪魔祓いを行ったとされるガブリエーレ・アモルト神父。
国際エクソシスト協会なるものを設立し、250人のエクソシストを束ねていた人物です。
悪魔祓いの回数は真偽不明ですが、アモルト神父が、悪魔と対峙し続けた人生を生きたのは確か。
映画の中で、アモルト神父は、酒を飲んだりスクーターを転がしたりと好き勝手振る舞いつつ、悪魔祓いをフラットにとらえていたように感じました。
当たり前の職務として、精いっぱいの誠意を見せる職人のようなイメージ。
主人公であるアモルト神父が、冗談が好きで明るい雰囲気なのも、作品を華やがせる一因だったと思います。
元ネタは回顧録「エクソシストは語る」
前述の通り、映画「ヴァチカンのエクソシスト」はアモルト神父の2冊の著書をベースに構成されています。
著書「エクソシストは語る」と、その続編にあたる1冊。
悪魔学に基づき、悪魔憑きの原因や解消方法などを記したほか、アモルト自身の豊富な経験をもとに印象的な悪魔祓いについて書かれているのだそう。
日本語訳版も出版されていましたが、2025年現在は絶版となっています。
ラッセル・クロウも映画のために入念なリサーチ
説得力のある肉厚ボディで、魅惑の神父を甦らせたラッセル・クロウ。
本作がホラー映画初主演ということで、役作り兼、アモルト神父の足跡をたどる旅として実際にヴァチカンを訪れたのだそう。
クロウのリサーチにより、アモルト神父のもとに助けを求めてきた人々のうち、真に悪魔祓いが必要だったのはごくわずかだったと判明。
目前で苦しむ人が、悪魔に苦しめられているのか病であるのかを冷静に見極めていた、アモルト神父の事実が映画をより切実にしています。
【ヴァチカンのエクソシスト】映画の見どころ!重要なポイント3選
続いて、筆者が選ぶ「ヴァチカンのエクソシスト」の見どころを3選にして紹介します。
※↑リンクをクリックで知りたい項目へ移動します。
見どころ①:トマースの成長を愛でる
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本作の軸は、アモルトとトマースの友情。
互いに神父でありながら、未熟な人間であるという大前提で、2人は急激に距離を縮めていきます。
ちょっとイチャイチャしているまである仲良しぶりが、他のエクソシスト映画にはない本作のポイント。
ブロマンス好きのあなたは、続編フラグ立ちまくりの本作をチェックしておくべきでしょう。
地元で彼なりに頑張ってきたものの、当初、アモルト神父ほどのエクソシストを前に縮みあがっていたトマース。
そんなトマースが笑顔でアモルトと握手を交わすラストシーンまで、爆速で成長する姿を愛でるのが吉。
見どころ②:アグレッシブな悪魔
ウィリアム・フリードキン監督「エクソシスト」の衝撃により、悪魔祓い映画の被害者は体当たりの芝居を強いられる現状。
本作でアスモデウスに支配されたヘンリーくんも、相当ハイカロリーな悪魔憑きでした。
子役の名演もさることながら、ド派手なVFXをともない神父たちに襲いかかる、女ver.アスモデウスがすごい!
トマースに反撃されたアスモデウスが、真っ赤な血のかたまりみたいになってバヒューンと破裂するシーンは、本作のハイライトです。
他にも、口が縦にビヨーンとなったり、腹に次々と文字を浮かばせたりと、強気の姿勢で攻めてくる悪魔でした。
見どころ③:エクソシストの教会探訪
世紀の名作「エクソシスト」も、本作同様実話がベースの「エミリー・ローズ」も、映画の主軸は“憑かれる側”に寄り添うものでした。
しかし本作のポイントは、主役はあくまでアモルト神父であるという点。
原作者であるアモルト神父に最大の敬意をはらい、トマースとならんで教会建築をながめるアモルトの姿が多く描写されます。
後半26分間に凝縮された悪魔祓いシーンの他は、教会の真実とヴァチカンの体制を語り、悪魔の成り立ちをひも解く構成。
ありそうで、そんなになかった形のエクソシスト映画かなと感じます。
【ヴァチカンのエクソシスト】続編の噂は…
続編の構想を練っていることを、プロデューサーがにおわせています。
どう考えても続編を作ろうとしているはずなラストシーンがおちゃめな「ヴァチカンのエクソシスト」。
神父が主役、そしてバディものというアツいフォーマットからして、彼らが悪魔のいる場所を飛び回ればいいだけのイージー展開が期待できます。
残り199体の悪魔がいるらしいので、ラッセル・クロウの息が続くかぎり製作は可能でしょう。
クロウといえば、ジョシュア・ジョン・ミラー監督最新作「ザ・エクソシズム」で、なんと“悪魔憑きブリッジ”を披露しているらしいという激アツ情報も。
本作「ヴァチクソ」のヒットで、エクソシストに造詣の深い俳優になりつつあります。
【ヴァチカンのエクソシスト】と「エクソシスト」の違いは?
まずもって、まったくの別作品です。
前項で述べた通り、ラッセル・クロウとエクソシストの親和性の高さから混乱を招いている悪魔憑き界隈。
「エクソシスト」とは、うら若き少女・リーガン(演/リンダ・ブレア)が悪魔に憑かれる世紀の名作。
現存するすべてのエクソシスト映画の根源には、このウィリアム・フリードキン監督「エクソシスト」があるといっても間違いはないでしょう。
「ヴァチカンのエクソシスト」も、悪魔祓いをある種メイン試合のようにとらえる構図に「エクソシスト」の遺伝子を感じます。
ちなみに、前項でふれたクロウの新作「ザ・エクソシズム」の監督は、「エクソシスト」でカラス神父を演じたジェイソン・ミラーの息子さんらしいですよ!
「エクソシスト」をあつかう映画は、大きな輪でつながっているのでしょう。
>本家?「エクソシスト」シリーズについてはこちらの記事をチェック
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【ヴァチカンのエクソシスト】アモルト神父は実在した…続編にも期待!
- アモルト神父は実在した
- 続編も決定しているらしい!
- 映画「ヴァチカンのエクソシスト」はU-NEXTで!
たくさんの書籍を遺したアモルト神父。
おそらく世界一、悪魔祓いを経験したアモルト神父の豊富な体験談に、映画の続編にも期待が高まります。
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