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【なぜ名作】映画「ショーシャンクの空に」実話で後味悪い?あらすじ&ネタバレ解説

映画「ショーシャンクの空に」あらすじネタバレ!実話?後味悪いのになぜ名作と言われるか考察

映画『ショーシャンクの空に』は、ショーシャンクという架空の刑務所で起こる出来事が描かれた感動的な人間ドラマです。

監獄や捕虜収容所を舞台とした映画は案外奥が深く、その中でも『ショーシャンクの空に』は特におすすめの1作といえるでしょう。

公開時は目立たず口コミで広がるような地味な作品であったせいか語られることも少なかったのですが、昨今はむしろ有名になり過ぎてネタがバレてしまい、結果「期待ほどではなかった」や「後味悪い」などの意見も耳にするようになりました。

さらには実話なの?と思った方もいますが、映画「ショーシャンクの空に」は実話ではありません!

この記事ではそんな後味悪いと言われる『ショーシャンクの空に』がなぜ名作と評価されるのか?に焦点を当て考察していきます。

この記事には映画の結末など重要なネタバレを含む場合があります。本作品の初見はネタバレなしの方が、楽しめますのでその点は特にご注意ください!

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目次

映画『ショーシャンクの空に』の基本情報は?原作者や監督もご紹介!

画像引用:ワーナー公式サイト
タイトルショーシャンクの空に
公開日1995年6月3日(土)
原作スティーブン・キング
脚本フランク・ダラボン
監督フランク・ダラボン
キャストティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、ボブ・ガントン、ジェームズ・ホイットモア、クランシー・ブラウン、ギル・ベローズほか
撮影ロジャー・ディーキンス
音楽トーマス・ニューマン
上映時間142分
関連サイトワーナー公式サイトWikipedia

本作品の原作となったのは、スティーブン・キングの中篇小説「刑務所のリタ・ヘイワース」です。この小説の映画化権を以前からキングのファンであったフランク・ダラボン監督が、タダ同然の値段で譲り受けます。のちに、映画ファン好みの語り継がれる名作が出来上がったのです。

撮影監督はロジャー・ディーキンス。刑務所の屋外でぼんやり立ち尽くす大勢の囚人を斜め上からのアングルでゆったりと捉えるカットなどは特に印象的で、他の脱獄映画ではなかなか見ることのできない情緒豊かな場面となっています。

映画『ショーシャンクの空に』の登場人物

画像引用:映画.com

本作品の主な登場人物は囚人や看守などです。個性豊かなキャラクターの詳細を見てみましょう!

アンディー・デュフレーン(演:ティム・ロビンス)

大銀行の副頭取。無実であるにもかかわらず、妻とその愛人殺しの罪で終身刑を課せられた。事件があった晩、妻や愛人であるプロゴルファーへの怒りから、銃を片手に泥酔していたことで容疑をかけられた。1949年からショーシャンク刑務所に入る。教養があり、職業柄会計にも詳しい。刑務所の中ではチェスの駒を彫っていた。

エリス・ボイド“レッド”レディング(演:モーガン・フリーマン)

若い頃殺人罪でショーシャンクの刑務所に入った服役囚。他の服役囚にとっては古株で、タバコや酒など大抵のものを用意してくれる調達係。自分でも「用意できないものはない」と言っている。アンディーと気が合い、次第に親しくなっていく。

ウォーデン・サミュエル・ノートン(演:ボブ・ガントン)

刑務所の所長。聖書を愛読しているというが、実は欺瞞に満ちた男。服役囚の更生プログラムでピンハネし、不正な金の洗浄をアンディーに任せる。

ブルックス・ヘイトレン(演:ジェームズ・ホイットモア)

50年間も刑務所にいるおとなしい老人。図書係を担当していて、レッドやその他の仲間とも仲が良い。上着の内ポケットにカラスの雛ジェイクを飼っており、初対面でアンディーを驚かせた。他の囚人に本を配るとき、レッドの調達品をさりげなく渡す役目も背負っている。

ハドレー主任(演:クランシー・ブラウン)

刑務所にいる鬼のような看守。夜中に泣きだした新入りの服役囚を警棒で殴り、結果殺してしまったが何事もなかったかのように毎日働いている。冷酷で暴力的、共感性に欠ける人物だがほぼノートン所長の言いなりでもある。

トミー・ウィリアムズ(演:ギル・ベローズ)

1965年、家屋侵入罪でショーシャンク刑務所に収監された妻子持ちの若者。13歳の頃から盗みなどで捕まっては、あちこちの刑務所に入っていた。アンディーからの影響を受け、高校の卒業資格を取るために勉強を始める。

映画『ショーシャンクの空に』のあらすじネタバレ(ラスト・結末まで)

画像引用:映画.com

この章では『ショーシャンクの空に』のあらすじを、結末までネタバレありでご紹介します。

起:弱そうな新入り

アンディー・デュフレーンという無実の若者に、妻とその愛人殺しの罪で終身刑が課せられます。

1949年アンディーが初めて刑務所にやって来た日、レッドとその仲間たちは「新入りの囚人の中で誰が最初に泣き出すか」の賭けをします。レッドはアンディーにタバコを賭けますが、彼はため息ひとつつきませんでした。

その後レッドは、彫刻用のロックハンマーをアンディーに頼まれ用意します。一方でアンディーはボグズという男から度々関係を強いられ、抵抗も虚しく度々強姦されていました。

春になりレッドたちは、ムショ内の屋根の修理の仕事につきます。そこでアンディーはハドレー主任の兄が亡くなり、遺産相続にかかる税金の問題で頭を悩ませていると知りました。財務経理に詳しいアンディーは、ハドレーに書類を用意すれば合法で非課税にする方法を知っていると提案し、見返りに屋根の修理仲間へのビールを要求します。

元エリート銀行員のおかげでレッドやその他の仲間は青空の下、冷えたビールを飲むことができました。こうしてアンディーは次第に周囲と打ち解けていきます。

承:フィガロの結婚

アンディーは人気女優リタ・ヘイワースのポスターの調達をレッドに頼みます。

所長はアンディーが財務経理に詳しいと聞き、彼の仕事を洗濯係から図書係へ変更します。目的は、自分らの税務処理や資産運用をアンディーにさせるためです。

元々図書係の老人ヘイトレンは、仲間が増えて喜びました。アンディーは所長の許可を得て、図書室の本を増やしてもらうため州議会に手紙を送り続けます。

そんな時ヘイトレンの仮釈放が決まります。ムショ内の生活しか知らないヘイトレンは、ここから出たくないと言って泣きました。結局彼は仮釈放後スーパーでの仕事に就きましたが、ある日ホテルで自殺してしまいます。レッドとアンディーは、彼が死ぬ直前に書いた手紙を読んでひどく落胆しました。

一方アンディーが州議会へ手紙を送り続けたおかげで図書室用の予算が200ドル割り当てられ、古図書やレコードが寄贈されます。アンディーはレコードの中から「フィガロの結婚」を見つけ、所内放送で流しました。刑務所内に鳴り響く音楽。囚人たちは全員その美しいメロディに耳を澄まし、錆びたスピーカー越しの青空を見上げていました。

転:図書室の拡大と新しい仲間

画像引用:映画.com

アンディーはレコードの件で懲罰房に2週間入れられましたが、心の中にある希望は誰にも奪えないと仲間に話します。服役してから既に10年。レッドにハーモニカをプレゼントし、レッドはアンディーに新しい女優のポスターを贈ります。

州議会から再び予算がおり図書室が拡大。所長が青空奉仕計画を始め、公共事業の野外作業を服役囚が行うことになりました。所長は服役囚の更生という建前で、ピンハネしたりライバル企業から賄賂を受け取ったりします。

こうした不正取引が行われる中、アンディーはこの裏取引の会計処理を任されます。

刑務所にはトミーという陽気な若者が入り、アンディーは彼に高校卒業資格を取るための勉強を教えます。すると意外なことがわかりました。

トミーが以前入っていた刑務所にエルモという男がいて、彼がプロゴルファーとその女を殺したと豪語するのを聞いたというのです。エルモは「自分の代わりに銀行員の亭主が捕まった」と笑いながら話していたようです。

その話を聞いたアンディーは自分の無実が証明されるチャンスだと思い、所長に再審請求したい旨を伝えました。しかし自分の不正が公になることを恐れた所長は、これを認めません。

アンディーを懲罰房に入れ、証拠隠滅のためトミーを陰で部下に射殺させました。

結:ジワタネホ

アンディーは所長の裏金の処理をするため、2ヶ月間入っていた懲罰房から出されます。久しぶりに会ったレッドには、メキシコのジワタネホに住んでみたいと話しました。弱々しくいつもとは違う様子の親友。

レッドは仲間からアンディーがロープを貰いに来たと聞き、彼が自殺するのではないか?と心配になります。

翌朝アンディーは自分の房から消えていました。癇癪を起こした所長が、石を女優のポスター目がけて投げると貫通し紙に穴が開きます。ポスターの向こうには、人が通れるぐらいの穴が空いていました。

アンディーは20年かけて、毎日穴を掘り続けていたのだとレッドは憶測します。あの小さなロックハンマーで…。

脱獄した彼は12の銀行へ行き架空の人物を装って、所長が得た不正な金を引き出します。そして所長の帳簿を新聞社に送り、告発したのです。

刑務所には警察が大勢来て、ハドレーが逮捕されました。所長は銃で自らの命を絶ちます。

レッドは仮釈放となりスーパーで働きますが、40年間ムショ暮らしだったため外の世界に上手く馴染めません。そこで以前アンディーが話していたバクストンのある場所に行って見ると、黒曜石の下に友からの手紙を見つけます。

レッドは希望を胸に、アンディーのいるジワタネホへ向かいました。

『ショーシャンクの空に』は実話なのか?最後のアレン・グリーンって誰?

この映画ではエンドクレジットの前に「アレン・グリーンを偲んで」というメッセージが出ます。このことから本作品が実話なのでは?という疑問を持った方もいらっしゃるでしょう。

結論:この映画は実話ではありません!

作品情報の章で申し上げた通り、本作はスティーブン・キングの中篇小説を映画化したものです。キングは実在の逃亡犯フランク・フレッシュウォータースからインスピレーションを得てこの小説を書いたといわれていますが、フランクの逃走事件と物語の筋書き自体は随分違っています。

またエンドクレジット前に突如出てくるアレン・グリーンという人物は、フランク・ダラボン監督の親しい友人でなおかつ『ショーシャンクの空に』のエージェントでもあったようです。しかし残念ながら彼は映画の完成前にこの世を去ってしまったので、ラストにこのようなメッセージが入ることになりました。

映画『ショーシャンクの空に』のラストは微妙…なぜ後味悪いといわれるのか?

画像引用:映画.com

片や大絶賛されている映画が、一方では後味悪いと評価されています。また本作品を感動作だと認めている鑑賞者にとっても、今ひとつしっくりこない部分がそれぞれにあるようです。一体どこが後味悪いと言われているのか考察してみましょう!

ラストシーンでレッドとアンディーが再会できたのかわからないから

憧れの場所「ジワタネホ」の青空の下で2人が抱き合うエンディングは感動的です。

しかし外の世界に出たレッドの語りは「親友と再会できればいいが、太平洋が青く美しいといいが、俺の希望だ」というところで止まっており、最後のシーンはレッドの妄想なのでは?という疑問の声も出ています。

アンディーとレッドの再会は現実でしょうか?

このラストについての解釈は見た人でそれぞれ違い、どれが正解という答えはありません。いわゆる観客に解釈を委ねる形のエンディングとなることで、一部後味悪く感じた人もいらっしゃったようです。

真犯人は逮捕されてない!本当にアンディーは無実なのかという声も

劇中には最後まで真犯人が捕まるシーンがありません。これにより一部の鑑賞者からは冤罪といわれているアンディーが実は犯人なのでは?と疑問視されています。

結論:アンディーは無実の可能性が高いです!

まず、なぜアンディー犯人説が浮上したのでしょうか?それは彼は無実だと言い切れるような、具体的なシーンが劇中にないからです。

トミーは、以前真犯人と思われるエルモ・ブラッチと別の刑務所で会ったと言っていましたが、射殺されてしまった以上それを証明することができなくなってしまいました。アンディーが100%犯人ではないと断言できないことから、後味悪いと評価されることもあります。

ただし本作品の伝えたいことやテーマから考えると、真犯人が誰なのか?という問いはさほど重要ではありません。

冤罪だった主人公アンディーが最後は犯罪者になってしまったから

アンディー・デュフレーンは、何もしていないのに刑務所行きになってしまった気の毒な男性です。それなのに本作品では最後まで真犯人が捕まるわけでもなく、主人公は脱走してしまいます。

本当は真犯人が暴かれスッキリしたかったのに主人公が冤罪であると証明されないばかりか、脱獄して犯罪者になってしまったじゃないか!と残念に思う方もいらっしゃるかもしれません。

彼が潔白であると証明するためには、トミーの証言が必要です。しかしトミーはノートンから殺されてしまったわけだし、その状況で事実を証明するのは難しいでしょう。そこでアンディーはせめて所長の不正だけは暴いて自由になってやろうと、かねてからの計画を実行したのだと考えられます。

本作から得られるものは、冤罪になったときどのようにして疑いを晴らしスッキリするかのノウハウではありません。しかしアンディーを通して自由とは何か?というような哲学的な問いかけをすることは可能です。

無実だった主人公が刑務所に入ってから罪を犯してしまうのは何とも皮肉な結果ですが、物語の中の刑務所が私たちを普段縛りつけている嫌な場所だと捉えると、生きるためのヒントがたくさん詰まっているようにも感じられます。

鑑賞後、腐敗しきったシステムへの怒りや無力感を感じるから

画像引用:映画.com

劇中に出てくるハドレー主任は、新入りの囚人が夜泣きべそをかいたというだけで撲殺してしまうようなひどい看守です。服役囚を苛める一方で、自分達は不正をやりたい放題。終盤では捕まるものの、胸糞の悪さは消えません。

また所長の命令とはいえ、トミーを射殺したのもハドレーです。勉学に励むようになったトミーは、恩人のために正しいことをしようとしてあっさりと殺害されました。あまりにも不条理な展開です。

組織自体が腐敗していて、個人レベルではどうすることもできない悔しさ。アンディーは脱走できたとしても、トミーを生き返らせることはできません。このように物語上の設定上どうしようもない部分で無力感が生じ、後味悪くなったという感想も見受けられます。

映画『ショーシャンクの空に』の矛盾点を考察

ポスターはどうやって貼り直したのか?

所長らがアンディーの房に入った時、ポスターが綺麗に貼られていたのはなぜでしょうか?逃亡するため穴に入ったアンディーが、穴の中から大きな紙を貼ることは不可能なのではないかという疑問です。

結論:これについては監督自身も矛盾を認めています。

また看守が長年ポスターを剥がさなかったのは何となく不自然だという指摘もあります。しかし囚人が房にポスターを貼るのは珍しいことではないから、チェックされなかったのかもしれません。

検察の証言とエルモの話が食い違うのはなぜ?

エルモがアンディーの妻とその愛人を殺害したのは間違いないでしょう。しかし当時の殺人現場の状況について検察の話とエルモの話が食い違っていたため、その矛盾について議論されています。

エルモの刑務所での話・・・・・男が騒いだから、女も一緒に殺した

検察の話・・・・・2人がベッドで抱き合ったまま殺されていた

エルモは強盗するために侵入したと話していました。犯人は妻とゴルファーそれぞれに4発ずつ計8発発射していますから、単に強盗したいだけの男がなぜそこまでするのか?と疑問視されているのです。

このような矛盾点からモヤモヤし、後味悪いと感じることもあるようです。

映画『ショーシャンクの空に』はなぜ名作?傑作といわれる理由を考察

画像引用:映画.com

一部では後味悪いとの感想が上がっているものの『ショーシャンクの空に』は概ね、映画ファンから名作として愛されてます。その理由を考察してみましょう!

『ショーシャンクの空に』の主人公アンディーが魅力的な人だから

本作品は理不尽極まりない状況に置かれた主人公アンディーが、その環境下で希望を捨てず頑張り続ける話です。アンディーは図書室を大きくして囚人の娯楽施設にしたり、勉強を教えたりしていて決して諦めませんでした。

そしてもう1人の主人公がレッド。彼は最初、希望否定派なのです。

理由は希望を持つと後が辛くなるから。アンディーとレッドは気が合いとても仲良しですが、希望については度々意見が対立しています。

そんなレッドがアンディーが逃走したと知り、変わっていくのが素晴らしいところ。彼が3度目の仮釈放の審査で、初めて本音を言うシーンは密かな感動ポイントです。

私たち観客は概ねレッドの視点でアンディーを眺め、共感していく傾向が強いでしょう。

仲の良い2人がジョークを言い合い笑っている瞬間は、心の壁が消え真に自由を得ているようにも見えます。この映画では、喜びを分かち合う友人がいることの素晴らしさも描かれているのです。

テーマは自由への希望!共感しやすい題材で誰もがスクリーンに釘付けに…

映画『ショーシャンクの空に』を見た方は、監獄内のドラマがなぜこんなに魅力的なのか?と驚かされるかもしれません。本作品のテーマは自由と希望。刑務所が舞台ですが、実は実社会の縮図のように見ることもできます。

それは私たち観客も程度の差はあれど、大抵何かに縛られ理不尽な社会に生きているからです。

劇中でアンディーは、自分は運が悪かったと言います。彼はある意味権利を侵害された犠牲者ですから、体制に対しては抗うことで正気を保たなければなりません。

絶望的環境に置かれた主人公アンディーが、静かに穴を掘り続ける姿を想像すると、希望や勇気が湧いてきませんか?

ちなみに本作品はレッドの視点で鑑賞した人のほうが、その他の視点で見た人よりも感動度が高いと筆者は考えています。

ラストでは所長の不正が暴かれて痛快な気分!なぜバレたのか理由を解説

終盤には、アンディーに資金洗浄させていた所長の不正が明るみに出ます。これによりハドレーは連行され、所長は自分自身に銃を向ける展開に。

レッドのナレーションでは「逮捕された時、ヤツは女のように泣いたそうだ」と語られていて、ここは観客がスカッとさせられる瞬間でもあります。

所長の不正をバラしたのはアンディーです!

彼は所長の資金洗浄をさせられていました。ランドール・スティーブンスという書類上の架空の人を仕立て上げ、その人物の口座に裏金を流していたのです。そしてその裏帳簿を最後の晩に聖書とすり替え、脱獄時に外に持ち出します。

アンディーがランドールを装い銀行で金を手にした際に、窓口の人に郵便を頼むシーンがあります。あの封筒の中に裏帳簿が入っていて、それが新聞社に送られたのだと考えられます。

『ショーシャンクの空に』は伏線だらけ!よく考えられたシナリオに脱帽

本作品は通常の脱獄映画と違い、主人公が脱走を望んでいるのが終盤までわかりません。優等生の服役囚アンディーが脱走するという意外性に満ちた展開は素晴らしく、心の霧が晴れるような清々しい気分にさせられます。

アンディーはムショに入ってすぐにレッドに鉱物採集用のロックハンマーを頼み、次はリタ・ヘイワースのポスターを依頼しました。アンディー&レッドの会話は一見心地のよい人間ドラマに見えますが、実はこのとき既にアンディーは計画を実行に移していたのでしょう。

ハンマーが聖書の中に隠されていたことも、興味深いです。所長がアンディーの房を尋ねて来た時、アンディーはしっかりと聖書を握っていました。2度3度と見返せば、逆にヒヤヒヤさせられるシーンもあり面白いですね。

アンディーは地質学を愛していました。レッドは「地質学の核心は圧力と時間、穴掘りと同じだ」と語っています。

『ショーシャンクの空に』は名言の宝庫!

劇中には、人生に役立ちそうな名言がたくさんあることもこの映画の魅力です。

「ブルックスここにありき」

刑務所を出たブルックスが、死ぬ直前にホテルの梁に彫った言葉。『ショーシャンクの空に』の中でも、ブルックスのエピソードは見た人に大きなショックを与えます。施設で長い時間を過ごしたため外の世界に適応できない彼の存在が、本作品をより奥深いものにしているともいえるでしょう。

「選択肢は2つだけ、必死に生きるか必死に死ぬか」

2か月もの間懲罰房に入っていたアンディーが、レッドと会った時に出た言葉。トミーの死で絶望の淵に立たされたアンディーは、まだ諦めていませんでした。この言葉が心に残ったレッドは、仮出所後「必死に生きる」という選択をするのです。

「必死に生きるか必死に死ぬか、俺は生きるぞ!」

希望否定派のレッドの考え方が終盤に変わったと分かるセリフです。彼は仮出所後、以前ブルックスが泊まっていたホテルの同じ部屋に案内されます。そしてスーパーでの仕事にも馴染めず、ブルックスと同じように首を吊りたくなりました。しかしアンディーの手紙から彼がジワタネホにいると知り、そこへ向う決意をします。

まとめ

この記事では、昨今映画『ショーシャンクの空に』の一部の鑑賞者から後味悪いと評されている実状や、それでもなお、名作と言われている理由などを考察してみました。

『ショーシャンクの空に』は自由や希望をテーマにした人間ドラマです!

よって「真犯人は誰か?」や「脱獄せずに解決できなかったのか?」などの問いかけは、あまり意味を持ちません。

登場人物たちの名言も、ここで紹介したのはほんの一部。まだまだたくさんあるので、再度鑑賞しチェックしてみてください!

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